長瀞(その4) ― 2017/05/12 20:07
埼玉県立自然の博物館から荒川左岸の町道を歩いて国道140号に出て親鼻橋を渡り,すぐ右に折れて町営住宅の脇の小道を川に降りた。紅れん石片岩の露頭とポットホールである。
紅れん石というのは,その名のとおり緑れん石と固溶体をつくる鉱物で,緑れん石が鉄を含むのに対し紅れん石はマンガンを5〜22%含む。
写真18 紅れん石片岩とポットホールの露頭
国道140号の親鼻橋から見た紅れん石片岩露頭である。中央付近の2階建てのようになっている岩である。岩の影にポットホールがある。
写真19 ポットホールと紅れん石片岩
直径2m以上はあるポットホールである。見事に岩をくりぬいて孔が形成されている。褐色に見えるのは紅れん石片岩である。対岸も含め周辺は緑色片岩のきれいな露頭が続いている。
写真20 紅れん石片岩と緑色片岩
川の流れに洗われて紅れん石片岩と緑色片岩の見事な互層が見られる。
写真21 紅れん石片岩
この色と光り具合が,実際の紅れん石片岩の感じに最も近い。
写真22 紅れん石片岩
露頭へ降りて行く小道の途中にある紅れん石片岩である。左が下流で,この写真は川側から見たものである。
紅れん石片岩の露頭から上がって,町道,県道を歩いて皆野(みなの)中学校の河原にある蛇紋岩の露頭に向かった。皆野中学校の西側に舗装された広い道路が川へと続いている。川はキャッチアンドリリースの釣り場になっているらしい。
釣り場付近から県道の栗谷瀬橋付近まで蛇紋岩の露頭が点々とある。三波川帯中の蛇紋岩としては,長瀞東方の釜伏山の西から南にかけて比較的大きな岩体が分布している。
蛇紋岩を見たあとは親鼻駅まで歩き,長瀞まで電車に乗った。
写真23 皆野中学校河原の蛇紋岩露頭
硬質な塊状蛇紋岩が主体である。
写真24 蛇紋岩中の鉱物脈
縦の白色の脈は石英の可能性が高い。右下がりの脈はその繊維状の形からアスベスト(鉱物としては判定できない)と推定される。その他にロジンジャイトと思われる白色の部分もある。
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