宮島沼周辺2017/03/26 21:58

 今日は気持ちよく晴れて暖かく,風もありませんでした。午後から美唄市の宮島沼へ行ってみました。
 石狩川左岸(東側)にある「おむすび型」の沼で,ラムサール条約湿地,国指定鳥獣保護区となっていて,環境省の宮島沼水鳥・湿地センターがあります。

 沼には,まだ氷が張っていて鳥はいませんでした。周辺の田んぼは,雪が溶けているところがあり,そこで餌をあさっているようです。宮島沼は石狩川と旧美唄川に挟まれていて,周囲には親子沼,手形沼,三角沼などの沼がありますが,いずれも三日月湖ではなく,旧河道に出来た沼とは違う印象を受けます。
 かつての湿原の名残の「後背湖沼」とされています(北海道開発局 石狩川啓発建設部,2007,石狩川下流自然再生計画書)。


宮島沼
写真1 2017年3月26日の宮島沼
 まだ水面はほとんど見えていなくて鳥の姿はありません。向こうの山は増毛山地の南部です。
 2007年調査では,沼の最大水深は55cm,水面の面積は25haとされています。この付近の開拓が始まった当時は,水は涌き水で飲料水としても利用されていたと言います(現地説明版による)。


マガン
写真2 沼の周辺を飛ぶマガン
 周辺の沼や雪の消えた水田で休んだり餌をついばんだりしているようです。幾つもの群れが飛んでいます。


マガンの群れ
写真3 雪の融けた水田で餌をついばむマガン
 この付近にかなりの数のマガンが集まってきています。黒っぽいマガンのほかに白い鳥がいます。


ピンネシリ
写真4 増毛山地南部
 石狩川に架かる「たっぷ大橋」から見た神居尻山(左)とピンネシリ(右)で,手前は石狩川の高水敷です。この付近は石狩川を埋め立てて,幾つかの捷水路が造られています。


本の紹介:宇宙の統一理論を求めて2017/03/23 20:56



宇宙の統一理論を求めて
風間洋一,宇宙の統一理論を求めて 物理はいかに考えられたか。2016年9月,岩波現代文庫。

 ギリシャ時代の宇宙論から始まり,コペルニクスを経てアインシュタイン,そして量子力学,弦理論へと繋がる宇宙の統一理論,つまり物理学的世界を統一した理論で説明しようという試みを非常に分かりやすく述べたものです。

 私には,「第7章 反物質の出現」から「第10章 ヒッグス粒子,ニュートリノ振動,そしてダークマター」は理解できないところが沢山ありました。もう一度,じっくりと読みなおそうと思っています。
 この本を買ったのは2016年11月くらいだったのですが,ようやく年が明けた3月に読み終えました。その理由は,上に書いた各章の理解ができなかったからです。

 それにしても秀逸な本で,感動すら覚えました。物理学に興味を持つ多くの人に読んで欲しいと思います。


残業の上限規制2017/03/14 15:56

 残業の上限規制が,
<「きわめて忙しい1カ月」の上限は、安倍晋三首相の「裁定」により、連合が主張する「100時間未満」という表現で決着する見通しだ。>
と言う.(朝日新聞デジタル,2017年3月13日21時35分)
 完全な論点そらしである.上限規制の中身より安倍首相の「裁定」に重点を置いた報道である.

☆労働時間の基本は,1日8時間,1週間40時間である.
☆時間外労働の限度は,36協定を結んでいる場合で,1ヶ月45時間,1年間360時間である.
☆月80時間を越える時間外労働は,脳・心臓疾患の発症との関連が強い.

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 労働基準法では,
<(労働時間) 第三十二条  使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
○2  使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。>
となっている.これが基本である.

 厚生労働省の「時間外労働の限度に関する基準」では.延長時間の限度は1ヶ月45時間,1年間360時間(一般の労働者)となっている.
( http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kantoku/dl/040324-4.pdf )

 2015(平成27)年7月24日に決定された「過労死塔の防止のための対策に関する大綱」では,
<脳・心臓疾患に係る労災認定基準においては、週40時間を超 える時間外労働がおおむね45時間を超えて長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まり、発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できるとされていることに留意するよう周知・啓発を行う。>
となっている.

 塩崎泰久厚生労働大臣は,2017年3月10日の記者会見で,
<労使の代表が真剣に話し合っていただいていますので、良い結論を出していただいて、私達が行動計画に入れ込んでいけるように、お願いできたらありがたいと思っております。>
と記者の質問に応えている.所管大臣としての意見は,ないのだろうか.

 実際に100時間近い残業を経験した人は,この「裁定」に疑問を呈している.
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 私は,会社に入るのが遅かったため,入社当時から時間外手当が付かなかった.時間を気にせず仕事ができるという点では,ありがたい面もあった.もちろん,管理職相当の手当は付いていてそれなりの収入ではあったが,事業所での年収を調べてみると時間外が付く人が収入のピークを示し,その上の年代の手当が付く人(管理職待遇)で年収がガクンと下がっていてびっくりした.時間外労働で生活を維持していたとも言える.

 その後,成果主義というのがはやった.富士通で最初に導入されたと記憶している.かなり,もてはやされた方法であった.しかし,評価が公平に行われるのかという問題が出てきて,いつの間にか廃れたように思う.成果主義では,時間外労働をどう評価するかは難しい面がある.多くの時間を費やしていることを良いと評価するのか,時間を多く費やしているのは能力が無いと評価するのかである.
 自己評価というのも取り入れられたが,結局,人件費の総額は決まっているので,それをどう配分するかという問題になってしまって,最後は帳尻合わせとなる.

 勤務時間の管理は,タイムカードが便利である.しかし,夕方,タイムカードを押した後,さらに仕事をすると言うことも行われていたようだ.サービス残業である.

 過労死がこれだけ問題になっている今必要なことは,最低,月残業時間は45時間(1日平均2.5時間)とし,はっきりとした罰則規定を設けることであろう.


合地信生「考古学と岩石学の接点&ブラタモリ知床」2017/03/04 21:06

 表記の講演が2017年3月3日(金)午後1時から,札幌市の「かでる2・7」で開かれました。北海道総合地質学研究センターの第3回研究セミナーです。


合地信生氏
講演する合地氏

 青森県三内丸山遺跡の石斧について共同研究する機会があり,北海道,北東北の石斧について,材料となっている岩石の種類・出土した遺跡の時代を調べました。石斧の材料としては,平取町額平川産のアオトラ石と神居古潭渓谷産の青色片岩(せいしょく・へんがん)が,広い地域に流通していることが分かりました。

 額平川のアオトラ石は,緑色岩とか緑色泥岩とか言われていましたが,ナトリウム角閃石を含んでいて,ある程度の高圧変成作用を受けた変成岩と考えられます。
 神居古潭渓谷の青色片岩を材料とした石斧は,神居古潭の下流の深川盆地に面した遺跡で発見されています。

 北東北(東北の北部)から北海道にかけての遺跡で出土する石斧の材料は,緑色片岩(アオトラ石)が最も多く,次いで青色片岩,そして花崗岩あるいは安山岩です。南へ行くほどアオトラ石の割合は減っていくこと,太平洋側に比べて日本海側でアオトラ石の割合が少ないことなどの特徴があります。
 また時代によっても石斧に使われている材料が変化します。縄文時代中期(4,500年前頃)までは北筒式土器文化圏では青色片岩が,円筒式土器文化圏ではアオトラ石や安山岩が,大木式土器文化圏では花崗岩が主体となっています。これに対して,縄文時代後期(3,500年前)には二分化されます。

 石斧を作る砥石は,川端層の砂岩などが使われます。これには変成岩起源の鉱物が含まれています。

 石斧材料は,額平川流域や神居古潭から南茅部に運ばれ、ここで加工され三内丸山遺跡など,北東北へ持って行かれたようです。

 次に,土器の材料についてです。
 土器の材料を特定するには,X線回折によって含まれる鉱物を同定し,蛍光X線で成分組成を求めるほかに,示差熱分析によって胎土(たいど:陶磁器の本体を形づくる粘土)の焼成温度を推定することやガラスの含有量,ガラスの水分量をを推定することが有効です。粘土は550℃〜1,150℃の間でガラス化するようです。土器の焼きの良さ(焼成温度)は水分量によって定量化できる可能性があります。

 地質と考古を結ぶ非常に内容のある講演でした。


かでる2・7 ひな祭りコンサート2017/03/04 18:05

 「かでる2・7」で合地信生さんの「考古学と岩石学の接点&ブラタモリ」の講演があったので少し早めに行ったら,入ってすぐのホールでピアのコンサートをやっていました。約30分の短い時間でしたが,愉しむことができました。
 演奏者は,戸田浩子氏で「ティアレ・マオリの里にて」など6曲くらいを演奏してくれました。
 なかなか良かったです。


戸田浩子氏
演奏する戸田氏


戸田浩子氏
演奏の合間に話をする戸田氏


第55回試錐研究会2017/03/03 10:17

 2017年2月23日(木),午後1時15分から午後5時30分まで,札幌市北区の札幌サンプラザで,表記講演会が開かれました。

 今年の特別講演は,北大農学研究院の丸谷知巳特任教授による「地震・火山・豪雨による連鎖複合型土砂災害」でした。
 一般講演は,地質研の石丸 聡氏の「2016年8月の台風による斜面災害」,防災地質工業の雨宮和夫氏による「最近の北海道における斜面災害と周氷河性斜面堆積物」,アクアジオテクノの石塚 学氏による「熊本地震 水井戸被害調査」でした。


丸谷氏
講演する丸谷知巳氏

<丸谷氏の講演>
 日本での地震は,2000年以降マグニチュード8以上の地震が多くなっています。火山噴火は1900年以降やや多い傾向にあります。豪雨は1960年頃から増加傾向にあります。

 熊本地震では地震によって大規模な崩壊が発生した後,雨によって側部に崩壊が発生しています。地震による崩壊は遷急点の上辺りで起こっています。

 2016年8月の台風による北海道の災害では,十勝川で河床の上昇が起こっています。主に火山噴出物が移動しているのですが,川によっては花崗岩地域で土石流が発生しています。芽室川では横方向の移動が顕著でした。冬山川では河床が2m上昇しました。
 豪雨により土砂が移動・堆積し河道閉塞を起こし水害が発生するという複合型の災害が見られました。
 豪雨により土砂が運ばれて河床が上昇しても,ある程度年月が経つと浸食によってほとんどもとの河床に戻るというのがこれまでの状態でした。しかし,豪雨の間隔が狭くなってくると河床が元の状態に戻る前に次の土砂によって河床が上昇するということがおきます。そのため,全体として河床が上昇して新たな災害が発生する可能性が生じます。典型的な例をニュージーランドの河川で観測しました。
 災害を減らすための対応方法は,固定観測を継続して行うこと。広範囲を頻度高く移動観測すること,避難経路の伝達,そして最後は災害を受けにくい土地利用を行うことです。
 

石丸氏
講演する石丸氏


雨宮氏
講演する雨宮氏


共謀罪2017/03/02 21:34

共謀罪法案は「市民が長期4年以上の刑を定める犯罪に違反する行為を話し合い合意すれば,実際に実行しなくとも処罰できるといいう法律」(「秘密保護法」廃止へ!実行委員会ほか編集,20171月,一から分かる共謀罪 話し合うことが罪になる。5p)である。

201731日の新聞報道によると,共謀罪法案で対象となるのは,91の法律の277の罪であるという(朝日新聞デジタル,201731日)。この中には,例えば「【不正競争防止法営業秘密侵害等不正競争等 」といったものが含まれている。

 

日本の法律は,法律違反の「行為」を処罰するという「法益保護主義」に基づいているので,悪い「意志」を持って相談しても実行しなければ処罰しないというのが原則である。この原則を崩すことになる。

この原則を崩している法律としては,「特定秘密の保護に関する法律」(平成二十五年十二月十三日)がある。この法律では,「・・行為の遂行を共謀し、教唆し、又は煽動した者は、五年以下の懲役に処する。」(第二十五条)と規定されている。ここで言う「行為」とは,業務で知り得た特定秘密を漏らすことである。そして,第二十六条では,「・・行為の遂行を共謀したものが自首したときは、その刑を減軽し、又は免除する。」としている。

 

今回の共謀罪は,「国連越境組織犯罪防止条約」の批准のために必要であるとして「テロ等組織犯罪準備罪」として提案されるようである。共謀罪法案が通らなければ,東京オリンピックが開けないという理由がまことしやかに宣伝されている。

しかし,この条約の適用範囲は「・・性質上国際的なものであり,かつ,組織的な犯罪集団が関与するものの防止,捜査及び訴追について適用する。」(第三条1項)となっている。「テロ等組織犯罪準備罪」がなければ条約を批准できないというのは真っ赤な嘘と言ってよいであろう。ましてや,東京オリンピックが開けないというのであれば,オリンピックを招致したことが間違いだということになる。

 

「心で思ったことを人に話したら罰せられる」というのは,ほとんど小説の世界だと思っていたが,現実になろうとしている。なんとしても,やめて欲しいと思う。    


大涌谷2017/02/20 21:03

 箱根火山は2017年1月現在,「噴火警戒レベル1」である。大涌谷周辺の想定火口域では,噴気や火山ガスに注意が必要である。( 箱根火山の火山活動解説資料。平成29年1月。気象庁地震火山部 )

 2017年2月8日(水)に家族と箱根に行った。須雲川沿いの箱根新道を行き,元箱根の海賊船乗り場へ着いた。冬の普通の日とあって全く渋滞することはなかった。
 今年の春節は,1月27日から2月2日の7日間だそうで,すでに時期は過ぎていたが,中国からの観光客が多かった。

 元箱根から桃源台へ海賊船に乗って行った。天気が良く山々がよく見えた。
 桃源台から箱根ロープウェイで大涌谷へ。現在,大涌谷と早雲山の間のロープウェイは休止している。同じコースを小田原に戻った。


芦ノ湖
写真1 箱根ロープウェイと芦ノ湖


冠ヶ岳
写真2 ロープウェイから見た冠ヶ岳と大涌谷


大涌谷
写真3 大涌谷


元箱根
写真4 海賊船から見た元箱根
 背後の山は上二子山(左)と下二子山。


明神ヶ岳2017/02/20 17:47

 箱根火山外輪山の北東に明神ヶ岳がある。カルデラ形成前・外輪山形成期の溶岩で構成されていて,溶岩は四つに分けられている。初期はデイサイト質で,その後,安山岩質に変わり,山頂付近を構成するもっとも新しい溶岩は玄武岩質である。この火山体の溶岩は,北東に流れ南足柄市の標高100m付近までを覆っている。

 2017年2月10日(金),大山などは雪ですっかり白くなっていたが,行けるところまで行こうと出かけた。最初の目論見は,大雄山線の大雄山駅(すぐ隣のバスの停留所名は「関本」)からバスで地蔵堂まで行き,金時山へ登るつもりであった。しかし,大雄山駅に着いた時は,地蔵堂行きのバスは出た後で,1時間以上待たないと次のバスがない。そこで,バスが割合頻繁に出ている「道了尊」行きに乗ることにした。

 大雄山線というのは,「大雄山最乗寺」への参拝客を運ぶための鉄道として始まったようである。最乗寺は,1394(慶永元)年3月に建立されたという(http://www.daiyuuzan.or.jp/index.html)。
 1392年に南北朝が合体した直後で,後小松天皇の時代ということになる。道了尊というのは,最乗寺の守護で修験道満位の行者・相模房道了尊者のことである。道了大薩埵(どうりょう・だいさった:薩埵というのは菩薩のこと)とも呼ばれている。

 バスは,大雄山駅(関本)から南東に向かい狩川を渡ってしばらく行くと,いきなり山の中へ入っていく。ヘアピンカーブのある杉林の中の道を登っていく。大雄山茶屋天んぐ本店を過ぎたところから,遊歩道があるらしい。終点の「道了尊」停留所は杉林の中である。


最乗寺
写真1 登山道入口付近から見た最乗寺
 杉の大木の間にお寺の建物が散在している。天狗が出そうな雰囲気である。


明神ヶ岳溶岩
写真2 明神ヶ岳溶岩
 登山道の標高400m付近,林道に交差する手前に露出する明神ヶ岳溶岩グループ(Mj2)の安山岩露頭である。


変質した明神ヶ岳溶岩
写真3 明神ヶ岳溶岩
 標高410m付近,林道黄砂直前の安山岩露頭である。変質している。


見晴小屋
写真4 明神ヶ岳見晴小屋
 登山道が横断する上の林道の少し上にある小屋である。標高660mである。この付近から雪が一面に積もっている。


明神ヶ岳山頂溶岩
写真5 標高790m付近の岩塊
 この付近の尾根には明神ヶ岳山頂溶岩グループ(Mj4:玄武岩質)が分布しているとされている。


明神ヶ岳山頂溶岩
写真6 明神ヶ岳山頂溶岩グループの顔つき
 斜長石の斑晶の目立つ安山岩である。登山道の標高810m付近である。


標高810m
写真7 標高810m付近からの眺め
 酒勾川と小田原市街,不動山・曽我山の向こうに相模湾。


標高880n
写真8 標高880m付近から上を見る
 雪がくるぶしまであり,足下がかなり滑る。時間も午後1時を過ぎたので下ることにした。この尾根は,明神ヶ岳山頂溶岩グループの流走面のようである。この付近の尾根の平均傾斜は12°である。この直線の登山道は,昔,木材を出した索道跡のようである。


碧落門
写真9 碧落門を見上げる
 二つある本堂に向かう門のうち,山側の碧落門を見上げる。「碧落」というのは「青い空」のこと。


真鶴半島2017/02/19 16:07

 真鶴半島は箱根火山の南東にあり,相模湾に角のように突き出ている。半島根元のJR東海道線・真鶴駅から先端の真鶴岬まで,直線距離で3kmである。先端の真鶴岬の先に三ツ岩があり,条件が良ければ歩いて行けるという。

 半島を構成する地質は,箱根火山のカルデラ形成期(22万年前〜13万年前)の噴出物である真鶴溶岩グループの安山岩質溶岩ドーム,火砕丘堆積物とされている。JR真鶴駅から真鶴漁港の北にかけては白磯溶岩グループ,岩漁港の北側には岩溶岩グループが分布している(日本地質学会国立公園地質リーフレット編集委員会,2007,1.箱根火山.日本地質学会)。

 真鶴半島は,北西−南東に並んだ単成火山の集合体と考えられている。

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 余談であるが,箱根火山の基盤岩は,南側の伊豆弧の地層と北側の本州弧の地層に分けられる。

伊豆孤の地層
 湯ヶ島層群:1,000万年前の地層で火砕岩、溶岩、貫入岩からなり変質作用を受けている。真鶴半島の南の藤木川流域に,やや広く分布している。
 早川凝灰角礫岩:400万年前〜300万年前の地層で,伊豆弧の海底に堆積した海底土石流堆積物である。国道1号の箱根湯本から宮ノ下の崖で見ることができる。
 須雲川安山岩類:安山岩質凝灰角礫岩,火山角礫岩,溶岩からなる。箱根湯本から畑宿にかけての須雲川や湯本温泉のホテル天成閣の玉簾ノ滝の下半分がこの地層である。

本州孤の地層
足柄層群:伊豆孤と本州孤の間のトラフ堆積物で,200万年前〜100万年前に形成された。箱根カルデラの北の内川より北に広く分布している。地蔵堂から足柄峠へ登る道路の金時山溶岩(玄武岩質)の下に見られる。
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岩溶岩
写真1 岩海水浴場北側の岩溶岩グループ
 安山岩溶岩の末端を見ているのかもしれない。橋は真鶴道路の岩大橋である。


真鶴溶岩
写真2 琴ヶ浜南の真鶴溶岩グループ
 安山岩であるが細かい流理が発達している。赤褐色の自破砕部を挟んでいる。


クスの大木
写真3 クスの大木
 先端の真鶴岬に向かう道路脇に生えているクスの大木である。江戸時代に小田原藩が松苗を15万本植林したと言われ,その後,皇室御用林となったため大きな木が残った。


三ツ岩
写真4 三ツ岩
 右の二つが少し重なっているが,三つの岩の峰がある。
 ここからは,三浦半島,房総半島,大島,利島,新島,初島,神津島,伊豆半島の小室山,大室山が見える。条件が良ければ三宅島も見えると言う。


番場浦の安山岩
写真5 番場浦の岩溶岩グループの安山岩
 これも流理がはっきりしている。しかも直立している。岬の南の番場浦まで,海岸沿いに遊歩道がついている。


お林展望台
写真6 お林展望公園の満開の寒桜(多分)