せたな町大成区の太田神社2018/08/08 17:10

北海道せたな町大成区太田にある太田神社本殿は,太田山(標高485m)の山頂直下の崖の洞窟にあります.標高は約340mです.


本殿のある崖を構成しているのはジュラ紀付加体・久遠コンプレックスです.

太田山の南の帆越山トンネル北坑口付近や海岸にある太田神社拝殿付近には白亜紀の花崗閃緑岩が分布しています.一方,太田集落の南550m 付近の岩礁から北には,中新世の流紋岩類が分布し,さらに北の太田トンネル付近からは花崗閃緑岩が分布しています.花崗閃緑岩や流紋岩に挟まれた久遠コンプレックスの分布域は,侵食に弱く海岸侵食が進んで弧状の海岸線を造っていると考えられます.

太田神社付近の地質は,比較的細片化しやすく崩壊が発生しやすいのが特徴です.これは,流紋岩の迸入によって岩盤が変質作用を受けて劣化しているためと考えられます.


海岸にある拝殿から崖の途中にある本殿の洞窟が見えます.当然,本殿から海岸にある拝殿を,はるか下に望むことが出来ます.


太田山

写真1 太田山

道道北檜山大成線・帆越山トンネル北坑口を出た左側にある拝殿から太田山を見たところです.


階段

写真2 道道北檜山大成線から本殿へ向かう階段

この階段を見ただけでやめる人もいるでしょう.上の方で勾配がきつくなっています.両側にしっかりとした手すりがあるので,それにつかまって登れば何とかなります.


小さな祠

写真3 小さな祠

標高130m,全行程の半分の手前付近にある小さな祠です.


女人堂

写真4 女人堂

女人禁制の本殿の代わりに大正時代に女性用の拝殿として建てられたそうです.標高160m 付近にあります.


本殿鳥居

写真5 本殿の鳥居

この先に本殿へ行く桟橋があります.


桟橋

写真6 本殿下の桟橋

足下は何もありません.人が立っているところに本殿に登る鉄輪の梯子があります.


鎖梯子

写真7 本殿へ

ここをよじ登った先に本殿があります.


拝殿を見る

写真8 本殿下の桟橋から拝殿を見る


なお,太田神社を解説したウェブサイトとしては,下のものが優れています.

北海道ファンマガジンこれは過酷すぎる!日本一参拝が危険な「太田山神社」に登ってきた

( https://pucchi.net/hokkaido/trippoint/taisei-ootasan.php )


私のブログでも太田神社を取り上げるのは二度目です.

( http://geocivil.asablo.jp/blog/2014/08/03/ )


その昔,太田集落の先のトンネル調査を担当したことがありました.当時の計画は,短いトンネルを幾つか繋いでいました.

太田漁港から船でボーリング機械などを運び調査しました.天狗山の西斜面は,花崗閃緑岩ですが,岩盤地すべりの地形を呈しています.ボーリングのオペレータが,「そこにマムシの巣がある」と言います.そこと言うのは,ボーリング座のちょっと下です.夏の暑いさなか,カッパを着て,ゴム手袋をして斜面の調査をしました.

その後,豊浜トンネル坑口の岩盤崩壊があり,長大トンネルに変更になりました.現在の北檜山大成線は,太田集落の先は延長3,360m の太田トンネルで一気に舟隠まで抜いています.



茨戸川2018/06/21 11:38

茨戸川は石狩川の蛇行部を直線で繋いだためにできた「三日月湖」です.


「茨戸川」

写真1 「茨戸川」と札幌西部山地

正面は雲に頭を隠した手稲山で,右端に春香山,左端に藻岩山が見えます.左手に見える川は,本来の茨戸川上流の蛇行部を当別捷水路で結んだ名残の「三日月湖」(ここでは「茨戸川」と記します)です.


「茨戸川」

写真2 「茨戸川」とポプラ並木

「茨戸川」の向こうに見える林の上に,石狩街道(国道231号)沿いのポプラが頭を見せています.


馬の放牧

写真3 馬の放牧

「茨戸川」に囲まれた低地に馬が放牧されています.


水路

写真4 水路

本物の茨戸川とその上流の「茨戸川」を結ぶ水路です.

国道337号・札幌大橋のすぐ下流から石狩川の水を「茨戸川」に引き込めるようになっていて,この水路を通して茨戸川と繋がっています.



カムイの杜トレイルラン2018/05/29 13:21

第8回のカムイの杜トレイルランが,2018年5月27日(日)に開かれました.暑くもなく寒くもなく絶好の気候でした.


今回は走り終わった後も大きなダメージがなく,汗もあまりかかず,気分良く走り終えました.帰りは美瑛廻りで帰りました.

十勝連峰は,頭は雲に隠れていましたが,空気が澄んでいてきれいに見えました.富良野西岳と芦別岳もきれいでした.


夕張岳

写真1 夕張岳

今回は,朝4時に札幌を出て旭川に向かいました.新篠津付近から見た夕張岳です.田植えは終わっています.


十勝連峰

写真2 十勝連峰

上富良野町の国道237号脇にある見晴台公園から見た風景です.一番右が前富良野岳で,左に富良野岳,上富良野岳,上ホロカメットク山,十勝岳と並んでいます.山の頭が見えないので良く分かりませんが.


富良野西岳

写真3 富良野西岳と芦別岳

右の尖った山が富良野西岳,左が芦別岳です.右端に富良野スキー場が見えます.上富良野町の北基線付近から見たものです.


御料断層

写真4 御料断層

中央やや左のなだらかな丘がナマコ山などの衝上地塊で,その右の凹地が活断層の御料断層です.さらに右の緩い斜面は山麓緩斜面で,富良野西岳へと続いています.手前の川は空知川です.空知川と富良野川の合流点の北にある清水山から見たものです.清水山の西を活斷層である清水山断層が通っています.この山は,富良野の開拓草創期には唯一の行楽地であったそうです.現在は,ふらのワインのワインハウスがあります.


富良野道路

写真5 富良野道路

旭川十勝道路の一部である富良野道路は,清水山の西を通り空知川を渡って,北の峰の山麓の下を通り,御料断層を抜いて空知川へと出てきます.御料断層を横断する区間は,円形断面の止水トンネルとして建設されました.右の丘陵の下に北の峰トンネルの坑口が見えます.



咲いていなかった河津桜2018/02/20 14:59

2018年2月9日(金)と10日(土),伊豆・東海岸の河津町へ桜を見に行きました。残念ながら0.5分咲きといったところで,あの一面のピンクの桜は見ることが出来ませんでした。

宿は今井浜温泉に取り,食事を堪能しました。金目鯛の「姿煮付け」が絶品でした。


河津川沿い

写真1 河津川沿いの桜並木

1分咲きにもなっていないような。今年は,1週間は開花が遅れているそうです。そう言えば,去年の2月20日頃,真鶴半島に行った時に見事な河津桜を見ました。


0.5分咲き

写真2 一番良く咲いているのでこんな状態

それでも見物の人は,かなり来ていました。10日から桜祭りで,準備に大忙しでした。堤防沿いの店で売っていたデコポンが,すごく美味しかったです。


金目鯛

写真3 今井浜温泉「かね𠮷(よし)一燈庵」の金目鯛

「姿煮付け」です。味も抜群でした。このほかに,食べきれないほどの料理が出ました。



小湊鐵道2017/12/18 18:12

小湊鐵道は,房総半島の内房線・五井駅から養老川に沿って内陸を縦断している鉄道です。上総中野駅が終点ですが,その先は,いすみ鉄道となって外房線の大原駅まで繋がっています。両方を合わせて房総半島を斜めに横断する路線です。


小湊鐵道では ICカード乗車券は使えません。内房線の五井駅で降りたら階段を上がって左に行くと小湊鐵道の3番線ホームに行けます。ホームに降りる手前にICカードの簡易改札機があります。おばさんが,1日フリー乗車券や2日間有効の五井-養老渓谷往復割引乗車券を売っています。


小湊鐵道は,上総牛久までは1時間に1本以上の便がありますが,その先は2時間に1本程度となるので途中見学する場合は,ある程度計画をつくっていかないと脱出できなくなる可能性があります。


小湊鐵道の名前の由来は,小湊山誕生寺への参詣輸送などを目的としたことから命名されたとのことです(小湊鐵道のサイトより)。上総中野から南下して安房小湊まで行けるようにする予定だったのでしょう。


五井駅

写真1 小湊鐵道,五井駅の改札口

改札口には人はいません。左に券売機があり,奥では,おばさんがフリー切符などを売ってくれます。この手前にICカードの簡易改札機があります。内房線の改札口は,この後ろにあります。



上総牛久駅

写真2 上総牛久駅

ここまでは結構本数があります。



列車内

写真3 満艦飾の列車

たまたま乗った便です。お客さんに喜んでもらおうと色々工夫をしています。



月崎駅

写真4 月崎駅

朝8時前です。前の晩は養老温泉に泊まり,養老渓谷駅7時35分発の便でやってきました。小・中・高校生が一緒でした。

駅前のお店で朝飯のあんパンと飲み物を買い,歩いて「チバニアン」露頭へ向かいました。店のおばさんは,要領良く道を教えてくれました。



上総大久保駅

写真5 上総大久保駅

左手の桜の木の向こうが駅舎ですが,どこに駅舎があるか分からないほど,こぢんまりとしています。白い建物は便所です。駅舎は古いままですが,どの駅もトイレはきれいです。



上総大久保駅列車

写真6 上総大久保駅に列車が来ました

「チバニアン」露頭から県道・清澄養老ラインを歩いて上総大久保駅に来ました。午前10時40分発の便に間に合いました。



逆開発ポスター

写真7 頑張る小湊鐵道

小湊鐵道は大正6(1917)年に設立されました。今年で100年になります。五井と里見の間の営業を開始したのは大正14(1925)年です。

 上総大久保駅に張られているこのポスターには,次のように書かれています。

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THANKS

100年の夢を見た。いま、100年の夢を見る。


逆開発はじめました。


今から5,000年以上前、この辺りでは縄文人が自然との共同生活をはじめました。養老川の大いなる恵み、雑木からの食糧確保、燃料(火)としても活用していたことでしょう。われわれ現代人は進化したのでしょうか。自然との共存なしにこれからの暮らしは成り立つのでしょうか? こたえは逆開発の先にある!のかも・・・。小湊鐵道養老渓谷駅前は雑木が茂る森になります。トリが歌い、チョウが舞い、ヒトが集う。まずはじめてみました!


SATOYAMAは

懐かしい未来です。

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