紹介:原発事故緊急対策マニュアル2011/05/05 07:49



 今回の福島第一原子力発電所の事故を受けて出版されたものですが,もともとは1989年に発行されたブックレット「原発事故ーその時あなたはどうするか!?」(合同出版)です.今回の本も,日本科学者会議 福岡支部 核問題研究委員会が編者となっています.

 まず,事故前にどんな知識を持っていたらいいのか,から始まり被曝線量と防護対策,放射能による健康障害の仕組み,原発事故がどのように進むか,原発事故緊急対策についての提言という内容です.また,参考資料も役に立ちます.

 福島第一原発事故では,3月15日から16日にかけての2号機の水素爆発で大量の放射性物質が放出されました.4月12日に原子力安全・保安院と原子力安全委員会は,福島第一原発から放出された放射性物質の量が37万〜63万テラベクレル(放射性ヨウ素換算)になったとして,国際的な事故評価尺度でレベル7としました.チェルノブイリ事故の時より1桁小さな値とはいうものの,レベル7の評価基準は「放射性物質の放出量が数万ベクレル以上」となっているので,優にレベル7を超えています.

 まず,自分の住んでいるところから,どの方向に,どのくらいの距離に原子力発電所があるのかを知っておく必要があります.その上で,万一の場合どの方向に逃げるのがよいのかを考えておくのが良いと思います.事故の大きさ,気象条件で異なってくるので,事故の時の情報が非常に大切になります.

 北海道の場合は,泊原子力発電所ですが,札幌からはほとんど真西約70kmの位置にあります.レベル6以上の事故が起きたら避難の準備が必要なのでしょう. 今回,福島第一原発の事故があっただけに,いろいろと考えさえてくれる本です.

早春のモエレ沼公園2011/05/05 18:37

 5月5日は,風は冷たいものの絶好の天気になりました.緑に彩られたモエレ沼公園に行ってみました.さすがにゴールデンウィークの真っ最中です.大勢の人で賑わっていました.


 頂上に三等三角点があるモエレ山は標高62mです.手前の芝生はすっかり緑ですが,モエレ山はまだ枯れ草色です.


 ガラスのピラミッドとその北西側の広場です.まだ,水は流れていませんがすっかり春です.

 400mトラックのある陸上競技場もすっかり乾いてフィールドは緑です.遠くに「海の噴水」と「ガラスのピラミッド」の頭が見えます.

 モエレ沼とプレイマウンテンです.
 その形から判断すると,モエレ沼は河跡湖であるのは間違いないのですが,豊平川がつくったものか石狩川がつくったものか分かりません.規模からすると石狩川の古い河跡湖である可能性が高いと思っています.興味のある人は米軍の空中写真を見ることをお勧めします.ビックリします.
 古い地図を見ると今のモエレ沼の北西にもう一つ沼があって,それが「モイレ沼」と呼ばれていました.例えば,1896(明治二十九)年製版の「五万分の一図 札幌」で見ることが出来ます.また,1882(明治15)年発行の「札幌縣石狩国札幌郡札幌村/丘珠村全図圖」にも,今のモエレ沼の三日月湖とその北西にあるアメーバ型の沼が描かれています.
 さらに古くは,1816(文化13)年に描かれた「松前蝦夷地嶋図その一」には,分岐する豊平川と西側の流路の途中に二つの沼が描かれています.その北側の沼が「モイレへツトホ」と呼ばれていました.1806(文化3)年の遠山村垣西蝦夷日記に4,5年前に豊平川が今の伏篭川から津石狩川(現在の旧豊平川)へ流路を変えたという記述があることと一致しています.

 モエレ沼のキタキツネです.モエレ沼公園の外周遊歩道です.
 まったく人を恐れません.下手をすると近寄ってきます.手前の草の中とちょっと向こうの道路脇と2匹います.モエレ沼公園でも見たことがあります.

 モエレ沼の中島です.1896年の地形図を見ると二つの流路跡が描かれています.おそらくその部分だろうと思います.中島の左側が古い流路,右側が新しい流路だろうと思います.

 モエレ沼の南東側と藻岩山です.こちら側では沼の幅が狭くなります.

 プレイマウンテン,海の噴水のカラマツ林,遠くにテトラマウンドが見えます.カラマツは少し色づいてきました.

 モエレ沼公園の案内図です.
 Bはモエレビーチで,夏は水深20cmくらいのプールになります.小さい子供が遊ぶのに絶好です.
 Cはプレイマウンテンです.南西側(下側)の面は階段になっています.
 Dはテトラマウンドで,Jは陸上競技場,Lはモエレ山,Mは野球場,Oはテニスコートです.

 イサム・ノグチ ドローイング・カード中の1枚です(部分).
 モエレビーチ,海の噴水のカラマツ林,プレイマウンテン,ガラスのピラミッドなどの配置が描かれています.

 モエレ沼公園は,そこに身を置くことでいろいろな発見が出来る場所です.公園を歩いていると思わぬ所から思わぬ形が見えます.もちろん,季節による変化,1日の中での日の当たり具合での変化を楽しむことも出来ます.