累積空間放射線量 ― 2020/05/04 17:34
累積空間放射線量
2014年5月25日から測定を始めた空間放射線量の測定が,2020年5月3日で2170日となりました.約6年間です.累積放射線量は7.09mSv で,年平均にすると1.2mSv/年になります.
下に放射線量の累積グラフを示しましたが,幾つかの変換点があります.
1)2014年以来ほぼ一定の割合で増加していた線量が,2017年5月9日以降,急に増加します.1月半くらいで定常状態に戻りますが,増加傾向は5月9日以前より大きくなります.
2)そして,2018年6月4日以降さらに増加傾向が大きくなります.2019年10月8日以降やや緩くなりましたが,2017年5月9日以前に比べると増加傾向は大きいままです.
測定器は国産の「はかるっち2」です.2014年から測定しているのは,それまで適当な測定器械を見つけられなかったためです.測定器はいつも身近に置いています.2017年5月9日以前は0.6mSv/年でしたから,日常的に約2倍の放射線を浴びていることになります.
ほとんど札幌で暮らしている状態で,放射線量の増加傾向がこのように増加していると言うことは,日本全国が放射線で汚染されていると考えた方が良いのだろうと思います.
長い目で見た場合,これが健康にどう影響するかが問題です.
図 累積空中放射線量グラフ(2014年5月25日~2020年5月3日)
本の紹介:新版資本論 ― 2020/05/04 21:58
新版資本論が第4分冊まで刊行されました.資本論第1部が完結です.

新版資本論 第1~第4分冊
私が大学に入ったのは1963年でした.2年生になった64年の秋から地質学鉱物学科の一部授業を受け始め,65年の春には秋吉台や四国の大歩危などの巡検がありました.
地質関連では,1947年に創立した地学団体研究会の影響で研究方法について考えることも学びました.そのための勉強の一つが,資本論を読むことでした.
大月書店から出ていた文庫本の資本論の第1巻は揃えましたが,なかなか読み進むことが出来ませんでした.
今回は2019年9月から始まって隔月で1冊ずつ出版されました.そこで,2か月で1冊を読み切ることを決め,暇を見て読みました.文中に「注」が多いのが資本論の特徴ですが,今回はそこは飛ばして話の流れを追うようにしました.
マルクスの文章自体も,間に挟まる文章があったり,皮肉を込めた表現があったり,そして何よりも経済用語の定義が十分理解できなかったするので理解するまでには至っていません.
イギリスにおける労働者の状態や囲い込みによる農民の賃金労働者化などの具体的な話にかなりの分量をさいています.身につまされるような話も出てきます.資本論の具体的根拠を示しているのでしょう.そして労働者が剰余価値を生み出している仕組みについて述べています.
今回の新版資本論は全部で12分冊ですから,ようやく1/3に達したところです.時間はそれなりに取れますので,一応全部読んでみようと思っています.
九条の会ブックレット 安倍改憲のねらいと危険性 ― 2020/05/05 21:00

九条の会ブックレット 安倍改憲のねらいと危険性―改憲発議阻止のために―.九条の会,2020年4月.
( このブックレットは,九条の会で入手できます.http://www.9-jo.jp )
2020年5月3日の憲法記念日に安倍・自民党総裁は,「5.3憲法フォーラム」へのビデオメッセージで憲法を変える議論をするよう呼びかけました.
そこでは次の二点を強調しています.
1)「緊急事態対応」の議論
2)自衛隊の存在を憲法上明確に位置付けること
そして,いずれの項目についても今回の新型コロナウイルスへの対応を理由として挙げています.ショック・ドクトリンの典型です.
ショック・ドクトリンというのは,「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」(Wikipedia)と言う考え方で,「惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」(ナオミ・クライン)のことです.
さて,ここで紹介する「九条の会ブックレット」では,山内敏弘氏(一橋大学名誉教授╱九条の会世話人)の「安倍改憲のねらいと危険性―自衛隊明記論を中心としてー」が読み応えがあります.
以下,その内容を紹介します.
<自衛隊を憲法に明記したらどうなるか>
安倍首相は,2019年12月9日に首相官邸で行った記者会見で「憲法改正は自民党の立党以来の党是であり,・・・必ずや私の手で成し遂げていきたい」と述べています.首相(広義の国務大臣)としての発言であり,「憲法 第九九条 憲法尊重擁護の義務」に違反していることは明らかです.平然と憲法を無視する人が,憲法を変えると言っていることが危険なことは言うまでもありません.
安倍首相は,「自衛隊を憲法に明記しても現在の自衛隊の任務権限には変更はない」と繰り返し述べています.
しかし,これは全くの嘘です.どのような影響が出てくるのでしょうか.
従来の政府解釈は,よその国に対して壊滅的破壊を加えるような兵器は「戦力」であり持てないとしてきました.
しかし,自衛隊が憲法に明記されると大陸間弾道ミサイルや長距離戦略爆撃機,攻撃型空母などを持てるようになると予想されます.実際,いずも型護衛艦を建造し,ヘリコプターだけでなく垂直離着陸の出来るステルス戦闘機 F35B の搭載を検討しています.
現在の憲法九条2項では「国交戦権は,これを認めない」と明記しています.しかし,集団的自衛権の行使が容認され交戦権否定規定も実質的な意味を失うと考えられます.
2015年9月19日に成立した「安保法制」によって集団的自衛権の行使が認められるようになりました.憲法九条に自衛隊を明記することによって,「安保法制」を合憲にしようとしているのです.
これによって何が起こるのか.
アメリカ軍の補完部隊として自衛隊が世界のどこへでも戦争をしに行くことが出来るようになります.
そのほか,首相の統帥権と民主的統制の欠如,徴兵制を初めとした市民生活・人権への制約,軍事費の増大と GDP 1% 枠の撤廃などによる福祉・教育・文化予算の圧迫など生活全般にわたって大きな影響が出ることが予想されます.
<自衛隊明記:自民党憲法条文たたき台素案>
第九条の二 前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を 保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織とし て、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮 監督者とする自衛隊を保持する。 ② 自衛隊の行動は、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に 服する。 (※第9条全体を維持した上で、その次の追加) |
このブックレットでは詳しく触れられていませんが,今回の新型コロナまん延を口実に,緊急事態対応の条文を入れるよう議論することを進めています.
つまり,第七三条【内閣の職務】の二に「緊急事態対応」についての条文を加えようとしています.そこでは,法律の代わりに内閣が国会の承認を得ないで政令を定めることが出来るとしています.
なお,2012年に発表された自民党の日本国憲法改正草案では,第九章 緊急事態として第九八条,第九九条が加えられています.
これも大きな禍根を残すものとなります.
<緊急事態対応について:同上>
第七十三条の二 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、国会による法律の制定を待ついとまがないと認める特別の事情があるときは、内閣は、法律で定めるところにより、国民の生命、身体及び財産を保護するため、政令を制定することができる。 ② 内閣は、前項の政令を制定したときは、法律で定めるところにより、速や かに国会の承認を求めなければならない。 (※内閣の事務を定める第73条の次に追加) 第六十四条の二 大地震その他の異常かつ大規模な災害により、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙の適正な実施が困難であると認めるときは、国会は、法律で定めるところにより、各議院の出席議員の三分の二以上の多数で、その任期の特例を定めることができる。 (※国会の章の末尾に特例規定として追加) |
札幌の丘珠空港緑地 ― 2020/05/08 09:31
2020年5月7日,伏籠川の桜を見ようと出かけました.天気は上々ですが風が冷たい.桜を見たあと丘珠空港緑地へ行ってみました.広くて何にもない.
写真1 サクラと伏籠川
丘珠飛行場の南東を伏籠川が北東に流れています.その右岸にサクラの林があります.手入れがされていないので枝は伸び放題,枯れた枝もそのままです.でも,花は見事でソメイヨシノかと思わせる絢爛さです.
JR札幌駅の北北東約6km に札幌丘珠空港(札幌飛行場)があります.空港自体は自衛隊のもので,陸上自衛隊丘珠駐屯地となっています.日本航空グループの北海道エアシステム( HAC :間違いではありません)が,ターボプロップ機で道内便と青森の三沢への便を運行していて,フジドリームエアラインズ( FDA )がジェット機で夏の間だけ静岡便,松本便を運航しています.
札幌市では,この空港を拡張して1年中ジェット便が運行できるようにしようと考えています.滑走路の延長によって,どの程度事業費がかかるかの試案も作成されています.
ただし,現在の1,500m の滑走路にする時に,これ以上,滑走路の延長はしないと周辺の町内会と約束をしています.また,昔は全日空も道内便を飛ばしていたのですが,冬に天候不良で欠航となることが多く,割に合わないと言うことで千歳空港(新千歳空港)に移ってしまいました.
丘珠空港の南東,北東,北西に緑地が整備されました.周辺の防音を兼ねているのだと思います.南東は古くから住宅地となっていて緑地は設けられていません.
写真2 満開のサクラ
今年が特にきれいに咲いているわけでもないようです.でも見事.
写真3 満開のサクラ
写真4 サクラと伏籠川と藻岩山
伏籠川の蛇行を直線化しています.サクラは蛇行部分に沿って植えられていたもののようです.
写真5 丘珠空港緑地の南東地区から西を見る
芝生のなだらかな丘が広がっています.遊歩道が付けられていますが,自転車の走行はダメです.押して歩く分にはかまわないようです.
写真6 丘珠緑地公園の南東地区から北西を見る
少し高くなっているところから北西を見ています.左端に滑走路の端が見えます.
写真7 丘珠空港緑地の北東地区
滑走路に沿って遊歩道が設けられています.約1.6km の緩い上り下りの遊歩道です.この日は西風が強く吹いていました.遮る物がないので風の強い日は大変です.
左の銀色の建物はつどーむ(コミュニティドーム:体育館)です.1階は野球,サッカーなどが出来,2階に1周400mのランニング通路があります.市の建物の割りに利用料などが高めのように思います.
写真8 HAC の飛行機が着陸
スウェーデンのサーブ340B です.今年からフランス ATR 社の ATR-42-600になるとのことです.背後の三角の山は恵庭岳です.
札幌市のモエレ沼公園 ― 2020/05/08 11:48
雪が消えた天気の良い日は,モエレ沼公園に行きたくなります.5月3日(日),天気が良いので走って行ってみました.この日は気温が上がったので,空全体にモヤがかかって遠くの山は見えません.
写真1 玉ねぎ畑
畑の右側は,玉ねぎの苗の植え付けが終わっています.褐色のシルトがこの辺りの土の特徴です.水はけは良くありません.いつもは,ここから手稲山が見ますが,今日は霞んで全く見えません.
写真2 モエレ沼とモエレ山
ヤナギやシラカバは芽吹き始めましたが,水辺のアシは茶色いままです.モエレ山の斜面は緑になっています.
写真3 ヒナギク |
陸上競技場の土手に咲いているヒナギクです.直ぐ南にある「サッポロさとらんど」にはピンクのヒナギクも咲いていたことがあります.
写真4 モエレ山
標高61.7m(地理院地図による)で札幌市東区で一番高い山でしょう.遠くは霞んでいてビルも山も見えません.写真を撮っている場所は,プレイマウンテンの中腹で,この山の西斜面には花崗岩の階段が付いています.右の白い建物は,ミュージックシェルと名前が付いています.前の芝生とプレイマウンテンの石段を観客席として音楽会が出来るようになっています.中はトイレです.
写真5 満開のサクラ
公園の東にある「サクラの森」は満開です.でも,立ち入り禁止になっています.サクラの下で花見の宴会をしないで下さいと言うことでしょうが,「閉鎖」と言うのは何だか過剰対応のように思います.
写真6 モエレ山から東を見る
右がガラスのピラミッド,左の緑の円形は海の噴水,その向こうにサクラの森があります.夕張岳や芦別岳は霞に隠されています.いかにも「春」という感じです.