房総半島 鋸山2018/05/15 11:35

鋸山は房総半島の先端近くにある標高329mの山です.西南西から東北東に延びる尾根の北側は古くから石材の採掘場となっているのに対し,南斜面は乾坤山日本寺(けんこんざん にほんじ)の境内となっています.


2018年5月1日(火),久里浜港からフェリーで浜金谷港に行き,「関東ふれあいの道コース」を登り,鋸山ロープウェイで降りてきました.このコースであれば,小学校入学前の子供でも登って降りてくることができます.


ふれあいの道コースでは,急な階段を上って,一度下ってまた登る標高120m付近までは三浦層群・稲子沢層(中新世後期~鮮新世前期)の凝灰質砂岩泥岩互層,日本寺と鋸山山頂へ向かう道が分かれる少し先までは同じく萩生層(鮮新世中期)の凝灰質砂岩と凝灰質泥岩の互層,標高200m付近から尾根までは上総層群・竹岡層(鮮新世後期)の凝灰質礫岩と凝灰質砂岩が分布しています.尾根付近に向斜があります.


東京湾フェリー

写真1 久里浜から金谷に向かうフェリーで

 2万トン級のパナマに向かう貨物船を押してきたタグボート(右の船)が,役目を終えて帰って行くところです.東京湾を南北に往来する大型船の間を縫ってフェリーは進みます.40分で浜金谷港に着きます.


いきなり石段

写真2 関東ふれあいの道コースの入口

いきなり石段です.この後も,階段階段また階段です.露頭をそのまま階段に整形した場所もあります.左の道は車力道です.写真に写っていませんが,この右にも道がありますが,採石場跡へ行く道で行き止まりです.


石段

写真3 階段の連続

さすがに疲れて一休みです.やはり,山登りは焦らずゆっくり一歩ずつです.この先一度下って本格的な登りになります.


削った階段

写真4 露頭を削った階段

加工しやすい硬さの凝灰質の岩石です.階段が二列ありますが一つは石材をすべり降ろす「樋道」だと思われます.


石切場跡

写真5 石を切り出した跡

江戸時代後期から1985年まで房州石として切り出していました.切り出した目の跡が付いています.「ふれあいの道」の東にある「車力道」を使って運び出していたそうです.


石切場跡

写真6 石を切り出した跡

「ラピュタの壁」と呼ばれていて最大垂直面の高さは96mです.壁面を掘り込んでいるのは,良質な部分を切り出したためだそうです.標高150m付近の展望台から.


百尺観音

写真7 百尺観音

日本寺境内にある観音像です.6年の歳月をかけて1966年5月に完成したそうです.

鋸山日本寺案内図には「発願(ほつがん)の趣旨は,一つには世界戦争戦死病没殉難者供養のため,また一つには,近年激増する東京湾周辺の航海,航空,陸上交通犠牲者供養のためです.」と書かれています.


山頂駅

写真8 鋸山ロープウェイ山頂駅から

手前やや左が金谷漁港で,その向こうがフェリーが発着する浜金谷港です.この日は,三浦半島は霞んでいます.富士山は見えませんでした.


ちょっと汗をかく程度の気候で,天気が良く船の旅も楽しめ,気持ちの良い登山でした.



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