もと地質技術者のつぶやき

　　　　　　　　　　地球全史の歩き方（2013年4月。岩波書店）

　写真で地球の46億年の歴史を紹介している「地球全史　写真が語る46億年の軌跡」の撮影旅行の記録です。最後の頁には，撮影機材が写真入りで紹介されています。

　世界各地，12地域へ撮影に行った様子が描かれています。ロシア，中国，アフリカ中央部，南米など，触れられていない地域がありますが，興味深い地域が多く行ってみたくなります。それぞれの章末には旅の情報として行き方，参考書，付近の見どころが載せられています。

　この本でちょっと意外だったのは，ツアーをうまく利用して行きにくい場所へ行っていることです。プロとしては，ほとんどチャーターで行っているものとばかり思っていました。これなら，準備さえすれば行けるかもしれないと思いました。その場所に行って，その場所特有の露頭を撮影できれば良いのですから，行く手段にこだわる必要は無いというのは，当たり前と言えば当たり前のことでしょう。

　もう一つ，風景中心の撮影では，広角ズームレンズが使用頻度が高いと言うことに納得しました。

　私自身は，無精をして18〜135mmというズームレンズ1本で，露頭の写真を撮っています。

　オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史（早川書房，2013年4月〜6月）

　全3巻，1,330頁の本で，このうち，原注（引用資料など）が110頁にわたっています。原題は “The Untold History of United States” です。歴史的な流れとして語られてこなかったアメリカの歴史を，多くの資料の裏付けによって語ったものです。

　強く印象に残ったのは，ラテンアメリカに対するアメリカの非道な行動です。アメリカの裏庭としてラテンアメリカで自由に行動してきたことは多少は知っていましたが，この道理のなさと酷さはビックリです。

　大部な本ですが，一気に読むことのできる内容です。