長崎自動車道・武雄ジャンクション付近の路面隆起2019/09/03 20:02

2019年8月末の九州北部の豪雨で,長崎自動車道の武雄ジャンクション付近で路面が隆起しました.その後の検討によって,規模の大きな地すべりの末端部であろうと考えられています.




長崎自動車道武雄ジャンクション

武雄ジャンクション付近の地形

(地理院地図に加筆)


路面隆起が発生しているのは,長崎自動車道と西九州自動車道が分岐する部分で,長崎自動車道の南行き車線から西九州自動車道へ分岐する分岐道と西九州自動車道から長崎自動車道の南行き車線へ合流する分岐道路の間です.この二つの分岐道は,長崎自動車道本線の下をくぐっています.


地形から地すべりを推定することは,非常に難しい地形です.ジャンクションは西北西に張り出した緩い尾根の部分で分岐しています.本線の東側の斜面は,標高130m付近まではなだらかな地形で,それより上部は急峻になっています.ジャンクション付近の標高は60mほどです.


この付近の5万分の1地質図幅「早岐(はいき)」によると,緩やかな斜面は漸新世の砂岩・泥岩・凝灰岩からなっているのに対し,標高130mより上方には更新世の多良岳火山岩類・大村安山岩が分布しています.

つまり,この路面変状が地すべりによるものだとすると,キャップロック構造の地すべりということになります.


恒久的な対策を考えるには,長崎自動車道本線両側400m程度の範囲の変状チェックと詳細な地形・地質調査が必要だと考えます.


<参考にしたウェブサイト>

谷川 博,2019年9月3日 5:00,長崎道の舗装のうねりは地滑りか、抜本対策に1年以上の可能性.日経 xTECH/日経コンストラクション.




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