北海道応用地質研究会の報告会2015/04/19 12:42

 2015年4月17日(金)に北大学術交流会館で,総会と報告会が開かれました.

 報告会は,次の内容でした.

 田近 淳氏(株式会社ドーコン):広島土砂災害調査団報告
 脇坂安彦氏(無職:前土木研究所):ダム基礎岩盤等に起因した災害−海外の事例
 三木 茂氏(基礎地盤コンサルタンツ株式会社):地すべり・斜面における物理探査の適用例

 田近氏:2014年8月19日深夜から20日未明にかけて発生した広島市の土砂災害調査の報告です.災害形態は,表層崩壊,土石流,沢出口での湛水というものでした.沢出口の沖積錐の上に建てられた住宅が被害を受けました.

 脇坂氏:2014年9月15日から19日にかけて見学したフランス南部のマルパッセダムとイタリア北部のヴァイオントダムの報告です.マルパッセダムは基礎岩盤に作用した揚圧力によりダム堤体が崩壊しました.一方,ヴァイオントダムは貯水池地すべりにより越流した水で下流の甚大な被害が出ました.堤体はそのまま残っています.

 三木氏:弾性波探査と電気探査を,より有効に使って斜面災害の実態を明らかにしたいというのが報告の内容です.深度と弾性波速度の関係を見ると,ほぼ深度50mで一定の値になる傾向にあります.比抵抗についても同様の傾向が見られます.このことから,地すべり移動体の深度を推定できる可能性があります.


写真1 田近氏


写真2 脇坂氏


写真3 三木氏


土砂災害との付き合い方10箇条
土砂災害との付き合い方10箇条:
 一般社団法人 日本応用地質学会 平成26年広島大規模土砂災害調査団報告会(平成27年2月21日)「平成26年度広島土砂災害に学ぶ土地の成り立ちを知り,土砂災害から身を守る」配付資料より.

 なお,田近氏は2015年5月9日(土)午後2時から3時半まで,札幌市資料館2階で開かれる「地質の日」関連土曜市民セミナーで「札幌市民が学ぶ広島土砂災害」と題して講演します.


「地質の日展」ポスター
「地質の日展」ポスター


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