本の紹介「温暖化と自然災害−世界の六つの現場から」2009/12/08 20:36

 
上から時計回りで,モルジブの首都マーレ,ミシシッピ川下流,黒河の胡楊林,パタゴニア,モンゴル,バングラデシュのサイクロンシェルタ.
 最近の自然災害の状況を具体的に報告した論集である.取り上げられているのは,ハリケーンカトリーナによるニューオリンズの水没,サイクロンによるバングラデシュの洪水,インド洋に浮かぶモルディブ諸島の危機,南米パタゴニアの氷河の縮小,モンゴル北部での永久凍土の変動,チベット高原北部のキーレン山脈からバダインジャラン沙漠へ流れ込む黒河変遷である.
 いずれも具体的な観測・調査に基づく内容で,今地球で何が起こっているのかがよくわかる.

 地球温暖化の原因についての議論も必要であるが,このような現状を見ると温暖化に対する適応策を講じることが,まず優先されなければと思う.

 日本地理学会では2001年に災害対応委員会を発想させ2004年から毎年災害に関連した公開シンポジウムを開いてきている.2008年のシンポジウムの記録がこの本である.その他のシンポジウムの記録では,2007年,2009年のものが地理学会のウェブサイトで読むことができる.↓

(http://www.ajg.or.jp/>アーカイブ>E-Journal GEO)

 なお,この本は,古今書院から2009年9月に発行されたものである.


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