本の紹介:福島からの手紙2023/10/10 20:59

福島からの手紙

関 礼子編、福島からの手紙 十二年後の岩発災害。新泉社、20238月。

 

 福島原発事故から一巡り、十二年が経ちました。

 被災した人たちにとって、原発事故はまったく終わっていません。

 

 手紙を書いているのは、二本松市、伊達市、郡山市、いわき市、飯舘村、浪江町、広野町、楢葉町、南相馬市小高地区、そして浪江町津島の人びとで、全部で17人です。浪江町津島の人たちは故郷に帰れない状態が続いています。

 

 津島は福島第一原発から北東に約30kmで、請戸川上流に開けた谷の中にあります。津島から避難している人たちの文章を読んでいると、津島が本当に良いところだと分かります。山の恵みの豊富な自然もそうですが、ここに住む人たちのつながり、つまり「津島の田植踊」に象徴される縦のつながりと「結いの精神」で互いに助け合う横のつながりが脈々と生きている集落であったことが感じ取れます。

 

 編者の関 礼子氏は、立教大学の教授で環境社会学・地域環境論が専門です。

 「編者あとがき」からの一節を次に記します。

  十二年経っても忘れ得ず、伝えられていく思いがある。「このような災害が二度とおこらないことを願う」気持ちを否定する人はいないだろう。

 

 この文章の前に、橘 厚子さんの「十二年目のお礼」という一文が載っています。

 

<必 読>

福島を語る(4)「帰れない村」の現実。imidas2022120日。石井ひろみ三浦英之。

 https://imidas.jp/olympic/1/?article_id=l-89-020-22-01-g787   



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