本の紹介:アインシュタイン方程式を読んだら「宇宙」が見えた ― 2021/11/28 16:05

深川峻太郎、アインシュタイン方程式を読んだら「宇宙」が見えた ガチンコ相対性理論。講談社ブルーバックス、2021年5月。
早稲田大学第一文学部文芸専修卒業という生粋の文系男子が、アインシュタイン方程式を理解したいと六年間、苦闘した末に書いた本です。男子と言っても六十に手が届くかというおじさんですが。
表紙は縦書きですが中は横書きで数式が一杯です。
ガリレオの相対性原理から始まります。ローレンツ変換、線形代数、4元ベクトル、スカラー・ベクトル・テンソル、リーマン曲率、測地線方程式、エネルギー・運動テンソルと進み、ついにアインシュタイン方程式にたどり着きます。
本書で示されているアインシュタイン方程式は、下のようになっています。

アインシュタイン方程式(本書243ページ)
記号の説明
Rμν :リッチ・テンソル
R :リッチ・スカラーもしくはスカラー曲率
gμν :メトリックもしくは計量テンソル
G :ニュートンの万有引力定数
c :光速
Tμν :エネルギー・運動量テンソル
ユーモアを交えながら式を追っていて、読み物としても楽しめる内容です。
ブラックホールの発見、重力波の検出など、アインシュタインの偉大さが明らかになりつつあります。どこまで宇宙の実態に迫れるのか、楽しみな時代になってきているように思います。