本の紹介:憲法の「空語」を充たすために2014/08/10 13:34


 内田 樹,憲法の『空語』を充たすために。2014年8月,かもがわ出版。

 空語というのは,「内容の伴わないことば。(空言)」(広辞苑第4版)とされています。     

 『憲法というのはその国家の「あるべきかたち」を指示するものです。「あるべきかたち」である以上,それは「まだない」。』という意味で,憲法は「空語」であり,「あるべきかたち」を実現すべく努力している人間がいる必要があると言うことです。
 憲法が内容を伴ったことばとなるためには,憲法の規定する国のあるべき方向へ事実を積み重ねていく必要があります。

 大まかな目次は,次のようになっています。

1 「日本国民」とは何か
2 法治国家から人治国家へ
3 グローバル化と国民国家の解体過程

 この中で,第3章の「自民党改憲草案二十二条が意味すること」は,深読みしすぎかなと言う感じがしますが,今の政権が目指している方向を考えると,あり得るなとも思います。
 
 なかなか面白い内容です。


新装なった札幌競馬場2014/08/25 14:38

 今年,札幌競馬場が新しくなったと言うので,第50回札幌記念(GII)を見に行ってきた。やや厚い雲が出ていて,それほど暑くなく気持ちの良い天気だった。


写真1 入口脇の駐輪場も満杯
 遠くにスタンドが見える。2階までが一般席,3階が指定席で,4階は馬主などの特別席である。JR桑園駅から歩いて10分くらいで,札幌駅からだと30分かかるかどうかといったところ。


写真2 入口の壁には馬のレプリカ
 ゴールドシップならぬゴールドホースもある。入場料は大人100円である。


写真3 入口すぐの勝ち馬投票券売り場
 この長蛇の列を見て,馬券を買うのはやめた。ゴールドシップを1,000円くらい買おうと思っていたけど。


写真4 第9レースが終わった後芝の手入れをする人たち
 7〜8人のチームで芝の傷んだところを直したり掘れたところを戻したりしている。見えた範囲だけでも3チームくらいが作業に当たっていた。第10レースはダートで行われた。


写真5 藻岩テラス
 藻岩山を望める2階のテラスである。4コーナーを回ってくる馬群の迫力を見ることができる。


写真6 第10レースを藻岩テラスから見た
 ダートで行われた第10レースの4ハロン過ぎの競り合い。


写真7 パドック
 今日は人人人で,全く見ることができない。


写真8 スタート地点に向かうハープスター
 やはり,競馬を見るならあの蹄の音と振動を間近で感じたい。ターフサイドシートのすぐ後ろで見ることにした。


写真9 同じくゴールドシップ
 この馬が大好きな人がいて,この写真を撮るために今日は来たようなもの。


写真10 直線に向かうゴールドシップとハープスター
 一番外側先頭が,ハープスター,その後ろの芦毛(白い毛)がゴールドシップ。この後,ゴールドシップは離されてしまった。それにしても,このスピードと迫力。

真11 ハープスターのお尻とゴールドシップ
 がんばれ,としか言いようがない。

 1時間半くらいで3レースを見て帰ってきた。帰りは歩いて札幌駅まで行った。約2.5km,30分かかった。


相模ダムと宮ヶ瀬ダム2014/08/25 21:02

 相模川には古くから相模ダムがあった。東京から中央本線に乗って,小仏トンネルを過ぎてしばらくすると「与瀬」の駅があった。ここで降りれば,相模湖へ歩いて行くことができる。
 相模ダムは戦争での中断を挟んで,1947(昭和22)年に完成した重力式多目的ダムである。高さは約58m,堤頂長196m,常時満水位は標高167mである。現地に設置されている説明版を見ると物資のない時代に,これだけの急峻な場所によく造ったものだと思う。
 地質図を見ると,ダムサイトのすぐ近くを西北西−東南東方向の地質断層が通っている。地質は主に古第三紀の付加体堆積物である。


写真1 建設初め頃の相模ダム(ダムサイト説明版)


写真2 相模ダム
 規模は小さいが,この時期に満々と水をたたえているのが印象的である。

 相模川にはこのほかに,道志川の合流点下流に城山ダムがある。相模川の合流点のすぐ上流に横浜水道沈殿池があり,ここから相模原市谷ヶ原浄水場へ導水路が通じている。この谷ヶ原浄水場は自然沈殿と微生物による濾過を行う緩速濾過方式も採用している浄水場である。

 宮ヶ瀬ダムは相模川支流の中津川に造られ重力式コンクリートダムである。堤高は156m,堤頂長375m,常時満水位標高286mである。直下流に設けられた副ダムである石小屋ダムで取水して,津久井導水路で道志川の横浜水道沈殿池へ水を送っている。

 さすが宮ヶ瀬ダムは大きく堤頂の通路の幅は17mほどある。


写真3 左岸から見た宮ヶ瀬ダム
 右岸に工事の時に使ったインクラインがあり,現在も運転している。遠くの三角の山は丹沢山か。


写真4 放水路
 やはり迫力がある。右岸の四角い建物は愛川第1発電所である。


写真5 ダム天端の通路
 広い。下を覗かなければ高さは忘れる。


写真6 湖岸に露出する岩盤
 酸性の火砕岩類のように見える。左の露頭は破砕されているのに対し,右側は塊状である。宮ヶ瀬ダムは,ダムサイト直上流の火砕岩類を原石として使用した。RCD工法で造られたので,ダム堤体は上流側の勾配がやや緩くなっている。インクラインはコンクリートを積んだダンプを所定の高さに運ぶために設けられたものである。