積丹半島の幌武意海岸2018/08/28 18:39

久しぶりに積丹岬の幌武意(ほろむい)と神威岬に行ってきました.まず,幌武意海岸です.


2018年8月27日(月)でしたが,観光客で大賑わいでした.大きく様変わりしたという感じです.


東の幌武意町から西の入舸町(いりかちょう)まで,断崖の上を積丹岬自然遊歩道が整備されています.その途中に有名な幌武意海岸があります.唯一,積丹岬先端付近で北の海岸に降りていける場所です.


5万分の1地質図幅では次のようになっています.


積丹町美国(びくに)から積丹岬までの海岸沿いには,南から美国-湯内累層・上部集塊岩層,同凝灰質砂岩泥岩層,同中部集塊岩(未区分:尾根内層・火砕岩部層・石英含有角閃石安山岩質水冷破砕岩および同質火山円礫岩)が分布しています.これらの分布は,国道229号より海側で,内陸側は積丹岳などの古い火山の溶岩や更新世の火山山麓扇状地などが分布しています.幌武意海岸の崖には流紋岩岩床があります.


展望台から

写真1 展望台から

駐車場の上にあるトンネルを抜けた展望台から見た島武意海岸です.海の中に岩脈群がそそり立っています.これらの岩脈は,石英を含んだ輝石安山岩で,角閃石はあまり目立ちません.黄鉄鉱が散点していますが,ほぼ新鮮です.


変質帯

写真2 展望台東の変質帯

展望台のすぐ東に見える変質帯です.原岩の節理が残っていますが完全に白色化しています.


変質岩

写真3 変質岩

海岸へ降りて行く遊歩道脇に見られる露頭です.原岩は,多分シルト岩でしょう.


遺構

写真4 遺構

遊歩道を降りた所に立派な石垣が残っています.何の遺構か不明です.中央に見える階段の左に,石に刻まれた銘板があります.「記念 大正六年五月 石工 中村○一郎」までは読めますが,肝心の「記念」の下に彫られている字が読めませんでした.銘板の左下にマムシが4匹休んでいました.この写真の反対側にも石垣が残っています.


節理

写真5 岩脈の節理

石英含有角閃石安山岩岩脈です.西に傾斜した柱状節理が発達しています.左側では方状節理になっています.


岩脈

写真6 岩脈の顔つき

斜長石・輝石・角閃石とも数 mm の大きさです。.


出岬

写真7 出岬(でさき:でみさき)の変質帯

海中に非変質の岩脈があり,海岸の崖は変質を受けています.原岩の節理などが残っています.出岬の灯台から東を見ると変質していない火砕岩類は陸側に10°ほどで傾斜しています.この付近全体が,一種のケスタ地形を呈しているようです.


粗粒玄武岩

写真8 粗粒玄武岩

遊歩道を降りて西(左)に行くと玉石を積んだ石垣の遺構があります.その背後斜面は粗粒玄武岩です.安山岩岩脈に比べると節理間隔は広く,灰黒色を呈しています.海岸にほぼ直交する方向(N10゚E)に貫入しているので,海岸の礫の間にも露頭があります.


無線方位信号所

写真9 積丹岬無線方位信号所

沖を通る船のレーダー画面に灯台や灯浮標などを表示させるための施設だそうです.積丹岬には,NTT など幾つかの電波塔が建っています.



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