本の紹介:資本論入門2017/09/08 11:29


資本論入門
Y. モスト 原著 K. マルクス 加筆・改訂,大谷禎之介 訳,
マルクス自身の手による 資本論入門。大月書店,2009年10月。

 「資本論」は読んでみたいと思わせる本です。

 その昔,第一巻だけでも読まなければと思い,大月書店の文庫版を買いました。1966年から1969年にかけて発行されたものです。

 ここで紹介する「資本論入門」は分かり易いです。
 原著者の Y. モストは1846年にドイツで生まれ,スイス,ドイツ,イギリス,北アメリカなどで政治活動を行いました。そして,逮捕,拘束されている間に,この本の原型となる「資本と労働—カールマルクス著『資本論』のわかるダイジェスト」を書きました。1874年のことです。
 「資本論」第1巻の第1版が出たのが1867年,第2版は1873年に発行されていますから,「資本論」の普及には役に立ったのだろうと思います。

 この「資本と労働」について,マルクスが全面的に改訂を行ったものが,この本です。

 この本には色々な工夫が凝らされています。何と言っても,「です,ます」調になっていることが挙げられます。「資本論」からの引用も同じ文体です。「あとがき」で訳者の大谷氏が言っているように,内容を理解することに役立っていると思います。
 マルクスが加筆・改訂した部分は,黄緑色でマーキングしてあります。資本論からの引用部分はゴシック体になっています。資本論のもともとの文章も,マルクスによって書き直されている部分があります。

 まず,この本を熟読し,もう一度「資本論」に挑戦してみようかなどど妄想しています。それは,今の社会がどうなっていくのかを見通す助けになるのではないかと考えるからです。



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