「メンタルヘルス対策について」講習会2011/11/17 16:11

 私の周りにもウツ病になった人が何人もいました.地質調査の会社というのは,当然現場に出ることが多く,束縛されることはそれほど多くないと思うのですが,それでも知っているだけで10本の指に余るほどの人がウツ病に罹っていました.今回の講習会は非常に参考になりました.

 講師は(財)日本産業カウンセラー協会北海道支部の志賀千栄子氏でした.講演のタイトルは「職場のメンタルヘルスと快適な職場づくり」です.
 
 まず,ストレスの基礎知識の話です.職場でのストレスの原因は「人間関係」が第1位で,「仕事の質」,「仕事の量」の順です.自殺者は1997(平成9)年に約2.4万人だったものが1998(平成10)年には約3.3万人に跳ね上がり,以後2010(平成22)年まで毎年3万人を超えています.自殺の原因・動機には身体の病気,勤務問題,多重債務,生活苦などがありますが,最も多いのはウツ病で40%を占めています(2010年調査).
 
 人にとってストレスは必要なものです.しかし,過剰になると身体や心にストレス症候群と呼ばれる症状が出てきます.頭痛,肩こり,息切れなどであったり,神経症,心身症であったり,そしてウツ病であったりするわけです.

 では,ストレスを減らすための対応はどうしたら良いのかというと,コミニュケーションを取るときに,1)相手の話を丸ごと受け止める,2)内容・意味とその背景にある気持ちを含め能動的に相手を理解するように聴く,3)内面からあるがままに理解して本音で応じる,ことだそうです.
 これを分析する方法として,「交流分析」と言う方法があります.また,エゴグラムのパターンによって自我状態を診断することが出来ます.

 予防はどうすれば良いかと言うと,適度な運動,気持ちの切り替え,ものの見方を変える,ことです.また,質の良い睡眠を確保することも重要です.1日は24時間ですが体内時計は約25時間の周期で活動しています.このズレは日光でリセットされます.ですから,朝起きて朝日を浴びて散歩なりジョギングなりをするというのは,身体にとって非常に良いことです.
 また,簡単な精神統一と運動で,1)ストレスを解消して不安や緊張をほぐす,2)筋肉を弛緩させ自律神経系の働きのバランスを整え内蔵機能を整える,3)心身の変化に気付きやすくなり全体的に気づきの能力が高まるそうです.この方法は,自己催眠の一種ですので必ず「取り消しの動作」を行う必要があります.

 なお,エゴグラムによる性格診断,自律訓練法についてはインターネットで検索するとたくさん出てきます.
 自律訓練法は専門家に訓練を受けて始める必要があります.
 エコグラムは自分の性格をある程度客観的に見ることができます.ただし,どのパターンが良いと言うものではないので間違えないことが肝心です.


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