東京駅2006/04/04 22:58

内堀通りから見た東京駅.高層ビルの谷間に埋没していまいそうである.
 

東京駅はいつでも人で混み合っている.でも,旧東京駅の建物はいつ見ても堂々として落ち着いている.

 現在の東京駅舎は2階建てであるが,1914(大正3)年に造られた時は3階建てで,中央の入り口の屋根は当初から今の形だったようであるが,両翼のドームは丸屋根であったらしい.「歴史と風格が感じられる丸の内地区のシンボルとして,赤レンガ庁舎を1914年創建当初の姿に復元.」するという東京駅ルネッサンス計画が進行中です.(Tokyo Station Renaissance パンフレットより).

 東京駅から真っ直ぐ西に向かうと皇居に至る.

ボーリング孔はトンネル掘削時に悪さをする2006/04/06 23:13

ボーリング孔はトンネル掘削時に悪さをする

 トンネルの地質調査では,できるだけ正確にトンネル断面の地山状況を知りたいので,トンネルセンターでボーリングをすることが多いと言えます.でも,地質状況の悪いトンネル坑口などでは,トンネル掘削のことを考えるとトンネル断面にボーリング孔がない方が望ましいと言えます.
 状況としては,坑口が地すべり土塊中にある場合,破砕帯や変質で地山が著しく劣化している場合,湧水が多い場合,砂質土系統の地山である場合などです.泥岩系の地山の場合,その地山が付加帯堆積物であるとボーリング孔の周辺が特に地山の劣化が著しく,天端崩落の原因となることがあります.
 どうしてもセンターでやりたい場合はどうするか.当たり前と言えば当たり前ですけど,掘った後,ボーリング孔をセメントミルクでグラウトすることです.多少圧力を加えて注入すればかえって地山改良になって,少なくともボーリング孔の周辺で天端崩落が発生することは防げるでしょう.
 トンネルセンターを外してボーリングをする場合に注意しなければいけないことは,ロックボルトに当たらない距離だけセンターから離すことです.坑口付近では,場合によっては6mのロックボルトを打ちますから,ぎりぎりセンターから11m,余裕を見れば15mくらいセンターから離すのがいいと思います.
 
 と言うようなことを,バックホウで掘れるトンネル切羽を見ながら考えました.

「ウェブ進化論」(梅田望夫著) を読んで2006/04/08 14:46

 久しぶりに興奮して読んだ本でした.

 個人個人が持っているパソコンのハードディスクの中にでなく「あちら側」の世界に情報を置き,誰もが利用できる状態になれば,知識の成長,発展がこれまでの速度に比べて瞬間に近い速度で進みうる可能性を持っていると言うことはすばらしいと思う.
 特にこの中で,低コストのウェブ利用が可能になる理論的根拠を「ロングテール理論」で説明しているのは,まだ半信半疑ですが一応納得できます.

 ブログの可能性についても,単なる個人の日記ではなく「知的生産の道具」であるという位置づけは,目から鱗でした.
 確かに,インターネットの繋がりさえすれば,例えば,ホテルのロビーに置いてあるパソコンからでも,今考えていることを書き込むことができ,自分のメモとして記録しておけます.
 ブログの可能性については,例えば災害時の情報収集に使えないだろうかと言うことを考えます.地震なり,豪雨なりが発生した場合,全体の把握も重要ですが,それぞれの地域でどんな状況になっているのかを細かくつかむことができれば,迅速な対応が可能なように思います.このようなときに,玉石混淆の中から本当に重要な(ここが問題)情報が自動生成してくるかは分かりません.
 参考になる事例としては<http://www.city.miyazaki.miyazaki.jp/bousai/html/saigai/saigaibbs01.html>があります.これは,2005年9月の台風14号の時に,宮崎市が立ち上げた防災掲示板です.これを読むと宮崎市の担当者の壮絶な対応状況が分かります.ブログで情報の極端な集中を避けながら有用な情報が浮かび上がってくれば非常に効果的だと思います.

 最後に,何と言ってもこの本を読んでいて楽しいのはウェブが良いものであるという著者の基本的な態度でした.

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住民参加の地すべり観測2006/04/10 18:56

 最近の経済情勢を考えると大規模な計器を設置しての地すべり観測は難しくなってきている.これに代わる方法の一つとして,その地区に住んでいる人たちに地すべり観測に参加してもらうことが考えられる.
 一般に現在行われているのは,相互通報システムを構築するものである.この一つの形態は次のようなものです.
 行政機関と住民がインターネット,公衆網などにより相互に情報を伝えあい,緊急時には住民からも行政側からも,固定電話,携帯電話,メイル,ファックスなどあらゆる手段で情報を伝えあうというものです.
 現在,携帯電話の普及は持っていない人を探すのが難しいくらいになっています.携帯電話を最大限生かした地すべり観測態勢といざというときの緊急通報ができないだろうかと考えています.
 掲示板が緊急時に地域限定の細かい情報を伝えることができることは事例がありことは4月8日のブログで述べました.
 このようなことを,地域でもっときめ細かく行い,その地域の気象や地すべり変動の記録を蓄積していくことで,住民の防災意識が高まればより効果的でしょう.
 実際にはクリアしなければならない問題が,実行段階でいろいろと出てくるでしょうが,ぜひやってみたい試みだと思います.

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都市の景観(その1)2006/04/10 22:24

 
 都市の景観とは何だろうか.例えば,上に写真は皇居二重橋の付近から見た東京駅方面です.このいかにも雑然としたたかさがまちまちのビル群を見て,美しいと感じる人はどのくらいいるでしょうか.一つ一つのビルは確かに美しいのですが,街全体としての調和が全くありません.
 確かに東京駅の丸の内側は,けばけばしい広告塔や看板が無く,それなりにビル群が美しく見えます.でも,そこには街としての統一が取れているとはとても言えません.
 東京駅の南側に建つビルも煉瓦の駅舎と調和しているとも思えません.景観法が施行されたというのに一体,都市景観はどんな風になっていくのでしょう.
 
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