本の紹介:日常を取り戻すために必要なこと ― 2023/05/17 16:51

倉持 仁、「日常を取り戻すために必要なこと」 コロナ2万人診断、闘う臨床医の提言 倉持 仁の「コロナ戦記2」。泉町書房、2022年11月。
新型コロナ患者を直接診断し、twitterで積極的に発言してきた臨床医が、これからどうしたら良いのかを提言した書です。
この本に載っている最後のツイートが2022年10月16日で、この本の出版が同年11月ですから、今や古いと言えばそうですが、これからどうするかの提言は今も有効です。政府が感染症の基本的な対応を制度として整えていないためです。
コロナ感染者がPCR検査を受けて医師の診断を受け、適切な治療を受けることが出来るように法律で裏付けることが最重要課題です。これに付随して休業保障など、諸々の問題があります。後遺症に対する手当も必要です。
コロナ禍の中で、実質的に国民皆保険制度が崩壊してしまったのを立て直すことが今後の感染症対策としても重要です。自主検査、自宅療養で亡くなった多くの方々は、皆保険制度で受けられる医療行為を受けられなかったのです。この本の最後に、「自宅放置死遺族会」の共同代表・高田かおりさんとの対談が載っています。
2023年5月のゴールデンウィーク明けに第9波が来るかと心配されましたが、今のところ、それほど大きな波にはなっていません。それでも、最後の「全数把握」である2023年5月8日時点で、全国で9,310人の感染者、25人(5月9日)の死者が確認されています(NHK「新型コロナと感染症・医療情報」)。
無茶苦茶としか言いようがない防衛費倍増が出来るくらいですから、金が無いとは言えないでしょう。要は、国民を守るために、感染症対策に金を投入すると決めるだけです。