北朝鮮のミサイル発射 ― 2022/10/06 17:10
2022年10月4日、北朝鮮は滋江道舞坪里付近から弾道ミサイルを発射しました。飛距離は4,600kmとされています。4日の午前7時29分頃、青森県の上空を通過しました。
私の携帯もJアラート(全国瞬時警報システム)の警報が鳴りました。ちょっと慌てました。
国連は、2006年7月5日に北朝鮮がテポドン2などのミサイルを発射したことを受けて、安保理決議1695「弾道ミサイル計画に関連するすべての活動の停止」を同年7月15日に全会一致で採択しています。
今回のミサイル発射は、明らかな国連決議違反で強く非難されて当然です。
図1の灰色の線で示しているように、今回のミサイルは青森県の上空を通過しました。飛距離は4,600kmで最高高度は約1,000kmとされています。落下地点は北太平洋のほぼ、ど真ん中です。
図2に示したように、ごく大雑把に考えてもミサイルは宇宙空間を飛んでいるのです。日本上空での高さは、おそらく国際宇宙ステーションの高度約400kmを上回っていたと予想します。様々な地球観測衛星の高度は約500kmで、低軌道帯といわれる高さを移動しています。そして、高さ2,000km以下には小さいものも含めれば1億個とも言われるスペース・デブリ(宇宙ゴミ)があると言われています。
( 参考 JAXA TOP> 事業内容> 特集> スペースデブリ問題の解決に向けて ~宇宙の環境を守るために~> デブリと宇宙機の衝突を防ぐ JAXA 追跡ネットワーク技術センター SSA(宇宙状況把握)システムプロジェクトマネージャ 松浦真弓 )
今や宇宙はゴミだらけになっていて、宇宙からの落下物による危険性はゼロとは言えない状態だと思います。
図1 北朝鮮のミサイルの軌道と射程(朝日新聞、2022年10月5日朝刊)
この図で見ると日本の近くに落下したように見えますが、北朝鮮から4,600kmの距離は日付変更線の東側になります。グアムへ向かうミサイルは、山口県付近を通ることになります。
図2 北朝鮮ミサイルの軌道の「ポンチ絵」
ごく大まかな高度を示した図です。一般的に宇宙は80km〜100kmより上とされているので、日本上空では宇宙空間に飛び出していたと思います。
今、10月1日から14日まで、北海道では日米共同軍事訓練が行われています。札幌市の北にある丘珠空港にはオスプレイが飛来しています。身体に響くような騒音とともに、いつ事故が起きるのかの不安がつきまといます。
宇宙を飛ぶ飛行体よりも、身近な騒音と事故の方がずっと深刻な問題です。
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