カムイの杜トレイルランニングが中止 ― 2021/05/16 18:18
2021年5月23日(日)に、旭川のカムイの杜で開かれる予定だったトレイルランニングが中止になりました。去年も中止で、今年は楽しみにしていましたが仕方ありません。
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図 カムイの杜トレイルランのコース
赤が5kmと10kmコースで青が23kmと43kmのコースです。この地域は高圧変成岩体である神居古潭帯で、10kmコースは緑色岩地域、43kmコースの西側は泥質片岩地域です。地形的には、それほど急峻ではありません。
東を南北に流れる川は伊野川で、北西の大きな川は石狩川です。
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台風でランニング大会が中止とか、コースの整備が出来ないでクロスカントリースキー大会が中止とかありましたが、パンデミックで中止というのは去年に続いて2回目です。
要するに、国内の感染が止まらないというのが大きな障害になっています。
この大会、旭川市の富沢にあるキャンプ場に泊まって参加していました。このキャンプ場は、名前を届ければ無料で使えて、なかなか居心地の良い場所です。
今回は、朝5時頃札幌を発つつもりでいました。朝早くのドライブもなかなか良いものです。
来年はなんとか開催できれば良いなと思います。
議会の解散 ― 2021/05/16 22:12
安倍・菅内閣のコロナに対する的外れな政策について、内閣不信任に相当するという議論が起きています。しかし、立憲民主党は現段階では内閣不信任案の提出は出来ないとしています。内閣不信任案を提出した場合、菅首相が衆議院を解散すると明言しているからだと言っています。新型コロナの感染者が爆発的に増え、医療崩壊が生じている状況で政治的空白をつくることは許されないというのが理由です。
衆議院の解散について少し調べてみました。なお、参議院については解散はなく、3年ごとに半数を入れ替える選挙が行われます(憲法 第四十六条)。
現憲法では、衆議院の解散を行う権限を誰が持っているか、明示していません。
衆議院の任期は四年としていますが、「衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する」(憲法 第四十五条)としているだけです。
衆議院が解散されたときにどうするかは、憲法 第五十四条に書かれています。解散の日から四十日以内に総選挙を行うこと、選挙から三十日以内に国会を開くこと、解散の期間中は参議院が緊急対応をすることなどです。
衆議院で内閣不信任決議案が可決された場合、または信任決議案が否決された場合は、衆議院が十日以内に解散されなければ、内閣は総辞職しなければならないとしています(憲法 第六十九条)。つまり、衆議院で内閣が信任されない場合は、衆議院解散があり得るということです。ただし、この条文は内閣総辞職を規定したものと考えられます。
そこで、現在行われている衆議院の解散は、天皇の国事行為が規定されている憲法の「第七条 三 衆議院を解散すること」を使って解散する方法です。いわゆる「七条解散」です。
天皇の国事行為は、「第七条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ」としていて、その三に衆議院を解散することが挙げられています。
つまり、内閣が承認した衆議院の解散を天皇に助言し、国事行為として天皇が衆議院を解散するという筋立てになっています。
2012年に決定された自民党の日本国憲法改正草案では、「第五十四条 衆議院の解散は、内閣総理大臣が決定する」としています。「内閣」となっていないところが味噌です。
大日本国憲法(明治憲法)では、「第一章 天皇 第七条 天皇は帝国議会を招集しその開会閉会停会及衆議院の解散を命ず」と規定していて疑問の余地がありません。
帝国議会は衆議院と貴族院で構成されていました。内閣を規定した条文はなく、「第四章 国務大臣及枢密顧問」の条文があるだけです。国務大臣は、それぞれ直接天皇を補佐することが任務とされています。総理大臣が特別の権限を持っていたわけではないのです。そのほかに、枢密顧問は、天皇の諮詢(しじゅん:意見を求めること)に応えて重要な国務を審議するのが役割となっていました。
外国では議会の解散はどのようになっているでしょうか。
2016年10月に国立国会図書館が「主要国議会の解散制度」を発表しています。その主な内容は下のとおりです。
イギリスでは、首相の助言にもとづいて国王が下院の解散を行っていました。しかし、2011年議会期固定法により、① 任期満了による自動解散、② 下院が定数の2/3以上の多数で繰り上げ総選挙の実施を可決した場合、③ 下院が内閣不信任案を可決した場合、の三つの場合に解散できるようになりました。基本的に、議会が解散を決める制度になっています。
カナダでは、首相の助言にもとづいて総督が行います。憲法慣習として、下院が不信任案を可決した場合あるいは信任案を否決した場合、政府が辞任するか首相が総督に下院の解散を助言します。カナダはイギリス連邦の一員で、国王の名代として総督が任命されています。
ドイツでは、① 首相が任命されない場合、② 首相が下院で信任を得られず後任の首相が選出されない場合、の二つの場合のみ解散が行われます。解散を行うのは大統領です。
イタリアでは、上院、下院の議長の意見を聞いて大統領がどちらか一方または両方の議会を解散できます。内閣不信任案の可決または信任案の否決の場合、内閣は辞職しますが議会は解散しなければならないとはなっていません。
フランスでは、大統領が首相と両院議長の意見を聞いた上で、いつでも下院を解散できます。ただし、解散できない条件があります。① 解散に伴う下院総選挙後1年以内、② 大統領の非常事態権限の行使中、③ 上院議長あるいは政府による大統領の職務代行中、の三つです。
日本国憲法は、衆議院の解散についてはイギリスの憲法をまねしたものと考えられます。政府が衆議院によって信任されなくなった場合、衆議院を解散するか内閣総辞職するというのは合理的だと言えます。しかし、国会(衆議院)の解散が「首相の専権事項」だという現在の日本のあり方は、「国権の最高機関」(憲法 第四十一条)である国会にふさわしくありません。ましてや、自民党改憲案のように、閣議によって内閣が決めるのではなく、内閣総理大臣が決定するというのは、どう見ても議会制民主主義に反し、独裁政治体制と言って良いと思います。
解散するかどうかは、議会が主体的に決める現在のイギリスのような制度が理にかなっていると思います。
<参考文献>