本の紹介:9条を活かす日本—15%が社会を変える ― 2020/05/10 12:46

伊藤千尋,9条を活かす日本―15%が社会を変える.新日本出版社,2018年5月.
タイトルにあるように「憲法九条を活かそう」という内容です.
アフリカ大陸の大西洋側,モロッコ沖にカナリア諸島があります.その中心の島,グラン・カナリア島に日本国憲法の碑があります.この碑には日本国憲法・第九条のスペイン語訳が書かれています.写真を見るといかめしい石碑ではなく群青色に縁取られた白いタイルに書かれています.
沖縄の読谷村に憲法9条の記念碑があり,「不戦の誓い」の碑があります.
憲法第9条の「軍備放棄」を,当時の首相・幣原喜重郎がマッカーサーに提案したいきさつが,記録として残っています.幣原は相当の決意を持って「陸海空軍その他の戦力は,これを保持しない.」という第9条2項を加えたのです.
15%の人が態度を鮮明にすれば世の中は変わります.実際に体験したことから確信しました.そのエピソードも記されています.
そして,著者が言いたいことの確信は,憲法を生活の中に行かそうと言うことです.コスタリカ,ベネズエラ,アメリカ,チリなど,それぞれの国で憲法を活かして世の中を良くしようと努力している人々がいます.
「第4章 日本の岐路―今こそ立ち上がるとき」には,今の日本の状況に対する著者の怒りが表れています.
分かりやすい文章で,新聞記者として世界を見てきた著者ならではの裏付けのある話です.
本の紹介:サメの歯化石のしらべ方 ― 2020/05/10 21:02

後藤仁敏ほか,地学ハンドブックシリーズ27 サメの歯化石のしらべ方.地学団体研究会,2020年3月.
まだ,案内は出ていませんが,地学団体研究会のホームページから申し込みできるようになるはずです.
< https://www.chidanken.jp/index.html >
メール :chidanken@tokyo.email.ne.jp
電話 :03-3983-3378
ファックス:03-3983-7525)
送料込みで1冊900円です.
サメの歯化石はアンモナイト,三葉虫と並んで化石界の「三種の神器」だそうです.
この本では,サメの歯化石の産地,採集方法,サメの歯の形態や組織,計測法,写真の撮り方,保存方法,研究の仕方などが述べられています.そして,古生代の7目,中生代と新生代の14目のサメの歯化石が延々と載っています.写真は,ほぼ全てがカラーです.
サメの歯化石は古生代石炭紀~第四紀完新世までの幅広い地層から出てきます.東京周辺であれば,秩父や房総半島の鋸南町,神奈川県や山梨県などで産出します.詳しい場所は調べなければなりませんが,巻末に「参考文献」が付いているので,それを手がかりに調べることが出来ます.

写真 埼玉県立自然の博物館入口にあるサメの歯の模型
体長12m の巨大サメ,カルカロドン メガロドンの下あごの模型で,歯が回転しながら生え替わる様子が分かります.深谷市(旧大里郡川本町)の比企層群土塩(つちしお)層から出土したものです.この本では,オオハザメ(カルカロクレス・メガロドン)としています.