建設業界の働き方改革2019/03/04 18:20


土木學會誌201903

土木學會誌2019年3月号の表紙


土木學會誌の2019年3月号の特集は「土木学会の働き方改革」です.若手の座談会では,余暇をどう過ごしているかを写真付きで紹介していて,これまでとちょっと違った内容となっています.


2019年4月から「働き方改革関連法」が施行されます.これによって,建設事業では2024年から労働基準法の36条による特別条項が撤廃されます.法律による労働時間の上限は,原則,月45時間,年360時間となります.

東京オリンピック関連事業が終了した後も,老朽化したインフラストラクチャの更新・維持管理といった建設事業は,増加すると見込まれています.

このような状況で,建設業界の労働環境を改善すること,生産性を向上させることが求められています.


今回の特集では色々な記事がありますが,大手建設会社の恵まれた人たちの内容で,多くの建設労働者が働き方をどう変えていけば良いのかについては,今一の感があります.


その中で,新井恭子氏(京都サンダー(株))の『建設ディレクター「建設業の新しい職域」』(同誌18-19)は,ささやかながら,やろうと思えばすぐに出来る試みだと思います.

「建設ディレクター」というのは 「IT を活用しながら、現場技術者と意思疎通をはかり、リアルタイムで書類業務を担う存在。」です.事務に携わる女性たちの視点を取り入れることによって生産性向上への意識改革が加速するのではないかと考えて,事務系の女性が「建設ディレクター」に適任と確信しました.

「建設ディレクター」の育成講座を始めています.現場技術者は現場に集中でき,事務スタッフのモチベーションが向上し,現場と事務系のコミュニケーションが活性化して働きやすくなりました.


この記事では,事務系女性に焦点をあてていますが,もちろん事務系男性も役割を担えると思います.


余談です.

現在,教員の過重労働が問題となっています.この問題でも「教育ディレクター」を取り入れれば,教員の負担は相当減るだろうと思います.ただ,教育の場合は,画一的な上からの指示・命令が強まっていることが大きな問題で,それを改善し,さらに教員の数を増やすことが一番に必要だと思いますが.