本の紹介:消された九州倭国の復権 ― 2023/01/19 10:36
左:佐々木慶三、消された九州倭国の復権 記紀の闇に光はあるか。丸源書店、2021年10月。
右:佐々木慶三、背徳と反逆の系譜 記紀の闇に光はあるか。丸源書店、2017年11月。
紹介が難しい「小説」です。
著者は、主に地すべりを手がけてきた地質技術者です。その著者がなぜ古事記、日本書紀の闇について述べているのか。この本を手に入れて、じっくりと読んでもらうしかないです。
「消された九州倭国の復権」が370ページ、「背徳と反逆の系譜」が274ページです。いずれもB5判の大きさで「小説」本としては大型です。
前書を書く動機となった著者の問題意識は「一体、古代日本の正史とは何か?」です。
後書では「読者はこの〔小説〕を読み、何故? どうして? と、懐疑の対象を好きなように広げていただければと願っている。一人一人が記紀の解読者になっていただきたい。<国家権力による記紀の解釈>を呑みこむほどに<普通市民の記紀の解釈>が膨大になった時、国家権力による記紀の独占は破られ、私たちはマインドコントロールから解放される」と記しています。
佐々木慶三氏は、北海道大学理学部・地質学鉱物学教室の第三講座(金属鉱床学:舟橋研究室)の出身で、私の1学年下になります。
丸源書店の中陣隆夫氏は東海大学海洋学部・海洋地質学の出身で、2021年4月に亡くなった星野通平氏の弟子です。2007年4月に「地球の体温をはかる サイラス・ベント号の太平洋航海記」(丸源書店)を出版しています。
なお、佐々木さんの二つの本は、アマゾンで買うことが出来ます。