ヒ素を食べる細菌 ― 2010/12/03 14:25
アメリカ・カリフォルニア州のモノ湖(塩湖)でヒ素を含む化合物を食べて生きている細菌が発見された.
NASA が宇宙の生命を探索する計画の一環としてモノ湖の堆積物中の微生物を培養した結果,好塩細菌・ハロモナス科の一種であるGFAJ-1がヒ素を含む化合物を食べて生きていることが分かった.
生物が生命を維持し増殖するためには,炭素,水素,窒素,酸素,リン,硫黄の六つの元素が必須とされている.この細菌はリンの代わりにヒ素をDNAの中に取り込んでいる.
リンとヒ素は周期表の15族に属し,原子番号はリンが15,ヒ素が33である.原子半径は,リンが1.06(Å:1Å=100pm=1億分の1m),ヒ素が1.20(Å)とヒ素がやや大きいが,電気陰性度(原子が電子を引きつける能力)は2.1と2.0で水素と同程度,イオン化ポテンシャル(イオン化に要するエネルギー)は1,063(J/mol)と1,013(J/mol)で化学的性質が似通っている.
好塩性細菌ハロモナスは海洋中にも存在している.その適応環境は,塩化ナトリウム濃度0.3-21%,pH5ー10という広い範囲にわたっている.この細菌を使って海水や鹹水から食塩やにがりを造る際に銅,カドミウム,亜鉛を除去しようという基礎的な実験が行われている.
ヒ素を食べる細菌を使って排水中のヒ素を浄化することが可能かもしれない.
NASA が宇宙の生命を探索する計画の一環としてモノ湖の堆積物中の微生物を培養した結果,好塩細菌・ハロモナス科の一種であるGFAJ-1がヒ素を含む化合物を食べて生きていることが分かった.
生物が生命を維持し増殖するためには,炭素,水素,窒素,酸素,リン,硫黄の六つの元素が必須とされている.この細菌はリンの代わりにヒ素をDNAの中に取り込んでいる.
リンとヒ素は周期表の15族に属し,原子番号はリンが15,ヒ素が33である.原子半径は,リンが1.06(Å:1Å=100pm=1億分の1m),ヒ素が1.20(Å)とヒ素がやや大きいが,電気陰性度(原子が電子を引きつける能力)は2.1と2.0で水素と同程度,イオン化ポテンシャル(イオン化に要するエネルギー)は1,063(J/mol)と1,013(J/mol)で化学的性質が似通っている.
好塩性細菌ハロモナスは海洋中にも存在している.その適応環境は,塩化ナトリウム濃度0.3-21%,pH5ー10という広い範囲にわたっている.この細菌を使って海水や鹹水から食塩やにがりを造る際に銅,カドミウム,亜鉛を除去しようという基礎的な実験が行われている.
ヒ素を食べる細菌を使って排水中のヒ素を浄化することが可能かもしれない.