日本海・オホーツク海の津波履歴の報告書 ― 2015/06/04 09:19

2015年3月に「北海道の日本海・オホーツク海沿岸における津波履歴」(北海道地質研究所 調査研究報告 第42号)が刊行されました。
確実度の高い津波堆積物が分布する地域は檜山沿岸域で,特に奥尻島では過去3,000年の間に7回の大津波を受けているとみられます。その発生間隔は500〜1200年です。13世紀(西暦1200年代)には,1993年北海道南西沖地震津波を上回る津波が発生していたことが判明しました。
衝撃的なのは,奥尻島青苗のワサビヤチ川氾濫原での5層の津波堆積物の発見です。確実度1のイベント堆積物が,13世紀頃,BC110〜3世紀頃,2.500年前頃の3層確認されていて,奥尻島のほかの場所でも,同じ年代のイベント堆積物が確認されています。
北海道の日本海沿岸およびオホーツク海沿岸で,700点以上の調査地点でデータを得て,イベント堆積物が津波堆積物かどうかの確実度を4ランクに区分しています。
今後,それぞれの地点での調査の基礎資料として,非常に重要な内容と思います。
札幌市の山の手博物館で販売しています。
( http://www.yamanote-museum.com/index.htm>地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 地質研究所 有償頒布刊行物>地震・火山・地すべり>87 )
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