CIMから広がる新たな世界 ― 2015/06/02 18:45

土木學會誌,2015年6月号
表紙の写真は,夕張シューパロダムの完成によって水面下へ沈んだ「三弦橋」(下夕張森林鉄道夕張岳線第一号橋梁)である。
土木學會誌の第一〇〇巻 第六号は,CIM(Construction Information Management)の特集である。
国交省では,すでに設計や工事で試行を始めていて,三次元モデルで可視化することによって業務が効率化できることが分かってきている。一方,三次元モデルの作成に時間と費用がかかることが問題として浮かび上がっている。さらに問題は,入札・契約制度のあり方にも及ぶとされている(同誌,高村論文)。
CIMは,計画・調査・設計段階から三次元モデルを導入し,施工・維持管理でも三次元モデルと連携させて建設生産性を向上させようという<考え方>であるとしている(同誌,TeamCIM論文)。
したがって,CIMはトータルマネジメントであり,「良質な社会資本が,長く,良好な状態でサービスを世の中に提供するということ」(同誌,佐藤・矢吹対談)が目的である。
維持管理に的を絞ると,精緻な三次元モデルは必ずしも必要ではない。米国陸軍工兵隊では,設計・施工段階の情報をEXCELの標準フォーマットに入力して維持管理段階へと引き継いでいるという(同誌,森論文)。
地形モデル取得の方法,施工の生産性向上,三次元設計データのCIMとの連携,CIMの現状と課題など興味深い記事が並んでいる。
日本海・オホーツク海の津波履歴の報告書 ― 2015/06/04 09:19

2015年3月に「北海道の日本海・オホーツク海沿岸における津波履歴」(北海道地質研究所 調査研究報告 第42号)が刊行されました。
確実度の高い津波堆積物が分布する地域は檜山沿岸域で,特に奥尻島では過去3,000年の間に7回の大津波を受けているとみられます。その発生間隔は500〜1200年です。13世紀(西暦1200年代)には,1993年北海道南西沖地震津波を上回る津波が発生していたことが判明しました。
衝撃的なのは,奥尻島青苗のワサビヤチ川氾濫原での5層の津波堆積物の発見です。確実度1のイベント堆積物が,13世紀頃,BC110〜3世紀頃,2.500年前頃の3層確認されていて,奥尻島のほかの場所でも,同じ年代のイベント堆積物が確認されています。
北海道の日本海沿岸およびオホーツク海沿岸で,700点以上の調査地点でデータを得て,イベント堆積物が津波堆積物かどうかの確実度を4ランクに区分しています。
今後,それぞれの地点での調査の基礎資料として,非常に重要な内容と思います。
札幌市の山の手博物館で販売しています。
( http://www.yamanote-museum.com/index.htm>地方独立行政法人 北海道立総合研究機構 地質研究所 有償頒布刊行物>地震・火山・地すべり>87 )
美瑛マラソン・クォーター ― 2015/06/16 13:25
去年まではハーフに出ていましたが,制限時間をオーバーしそうなので,今年はクォーター(10.548km)に出ました。6月14日(日),午前10時半スタートでした。
前日,美瑛に入り,「美瑛ポテトの丘ユースホステル」に泊まりました。JR美瑛駅の西の丘の上にある宿で,少し東に行くと十勝連峰から大雪までが一望です。今回は,残念ながら雲が厚く,きれいな山並みを見ることはできませんでした。ここは,映画「愛を積むひと」のオープンセット(ロケ地)のすぐそばで,映画の中に,この宿の尖塔がちょこっと出てくるそうです。
当日は,かなり厚い雲があって暑くなく風もなく,走るのには絶好の気候でした。車は,美瑛川の堤防と河川敷を使った第4駐車場に駐めました,スタート地点までは歩いて5分弱くらい離れていますが,ゆったりとしたスペースなのが有り難いです。
クォーターのコースは,スタート地点が丸山運動公園の脇の道路で,スタートしてすぐ美瑛川を渡り丘を登っていきます。スタート地点の標高が約250mで,折り返し点の標高が約300mですから,行きは約50m登ることになります。丘の上に出ると十勝連峰が目に入ってきます。
十勝岳などを背に,大正泥流がつくった坂をひたすら下るハーフに比べると素晴らしい眺めです。折り返すとあとは下りで,8km付近でハーフのコースに合流します。
今回は久しぶりに,走ったあと爽快感を味わいました。本当に気持ちの良い走りができました。といっても,記録は1時間10分ですから,1km6分40秒というペースです。
写真1 ファーム富田から富良野岳方面を見る
写真2 ラベンダーは,まだ,つぼみ状態です。畑は,かすかに紫色になっていました。
帰りは,中富良野町の「ファーム富田」に寄り,ラベンダーアイスを食べ,サイダーを飲みました。さらに,三笠市桂沢の「湯の元温泉」で疲れを取りました。三笠の幾春別付近では,ニセアカシアのにおいが走っている車の中まで充満しました。全山がニセアカシアの白い花で白緑色に染まっていました。
夕日を見ながら,石狩平野の広さを実感しつつ家に帰りました。
写真3 たっぷ大橋の夕日