城ヶ島 ― 2020/04/17 14:54
神奈川県・三浦半島の先端にある城ヶ島は,東西に長い島で南側の海岸は全面岩盤が露出しています.
岩盤を構成する地質は,中新世から鮮新世の三崎層(深海堆積物:約1,200万年前~440万年前)と初声層(はっせそう:陸源堆積物;440万年前~400万年前)です.その上に関東ローム層が載っています.
地形的には,島のてっぺんに広く分布する平坦面は,約8万年前に隆起して離水した三崎面で,急崖の下に約7,000年前に離水した沼 I 面と約5,000年前に離水した沼 II 面があります.1923(大正十二)年9月1日に起きた大正関東地震で,島は1.6m ほど隆起したとされていてます.
(参考:日本地質学会 地学教育委員会編,2010,地質リーフレットたんけんシリーズ 城ヶ島探検マップ-深海から生まれた城ヶ島-)
2020年3月20日に出かけました. 京浜急行・久里浜線の終点,三崎口駅からバスに乗って30分ほどで城ヶ島に着きます.1960年に開通した長さ575mの城ヶ島大橋を渡ります.この日は快晴で,橋から富士山がはっきりと見えました.
風が強く,吹き飛ばされそうでしたが島の南側に行くと風が弱くなり,それほど気にならなくなりました.
写真1 城ヶ島大橋から西を見る
富士山がくっきりと見えました.
写真2 島の北北西の灘ヶ崎
猛烈な風が吹き付けてきます.地層は三崎層で凝灰岩主体です.左が南です.
写真3 潮だまりのカニ
海は大波ですが,潮だまりにはカニ,ヤドカリ,アメフラシ(ウミウシ)がいて結構楽しめました.
写真4 南海岸の三崎層
ここでは,地層の傾斜は南へ30℃ほどになっています.
写真5 初声層と馬の背洞門
この付近から東の海岸には初声層が露出しています.遠くの洞が馬の背洞門で大正関東地震前は,その足下は波に洗われていたそうです.
写真6 高台から馬の背洞門
標高約30m の三崎面から馬の背洞門が,遠くに房総半島が見えます.
帰りのバスは渋滞で,三崎口駅まで約1時間かかりました.すっかり日が暮れて夕焼け空に富士山がシルエットをつくっていました.
お土産は拾った貝殻.その中で,20cmくらいのホラガイが収穫でした.