地球の営みについての分かりやすい本2011/03/04 20:29




 プレートテクトニクスによる地球の変動の分かりやすい本として名著の誉れが高いのが,深尾良夫氏の「地震・プレート・陸と海 地学入門_」(1985,岩波ジュニア新書)である.

 地球の構造の話から始まり,陸と海の違い,海の底が生まれる話,そして海の底が沈み込む過程と地震の発生,島弧の話,最後はヒマラヤチベットを例に,山がなぜ高くなるのかという話で締めくくられている.今更プレートテクトニクスの話と思うけれど,わかりやすさという点では非常に優れた話の進め方である.

 ある町で町民向けの講演会と地質見学会を行った時に,参加していた人から,「どうして深尾さんの本ように分かりやすい地質の本がないのか」と言われたのがきっかけで,この本を読んでみた.確かに,分かりやすい本である.この本を書いた時,深尾氏は42才,一番脂の乗っていた時であろう.

 地球全体を視野に入れて分かりやすい地質の本を書くとしたらどんな風に話を進めたらいいのだろうか.かなり難しいと感じる.

 余談であるが,深尾氏は1992年に地震波トモグラフィを用いて全マントルの構造,マントル内部の三次元的構造を明らかにした.地球内部の外殻とマントルの境界から上昇してくる柱状のプルームと沈み込んだ海洋プレートが上部マントルと下部マントルの境界で滞留し,やがて下部マントル中に落ちていく様子が描き出された.この滞留するプレートが,スタグナントスラブ(stagnant slab)である.

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