本の紹介:教養としてのラテン語の授業2023/03/25 10:21

ラテン語の授業

ハン・ドンイル、教養としてのラテン語の授業−古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流。ダイヤモンド社、20229月。

 

 手元に置いて、気になった時に開いてみたい本というのは幾つかあります。ラテン語を通してリベラルアーツの源流を探るというこの本は、そんな本の一つになりそうです。

 

 キケロはこう言ったそうです。

 「純粋なラテン語ができることが素晴らしいというよりは、できないことがみっともないのである」

 ローマ帝国の公用語であったラテン語を正しく操れない人は、みっともないということです。

 ラテン語は文法が非常に複雑で、「ラテン語の勉強とは、平凡な頭脳を勉強に適した頭脳へと活性化させ、思考体系を広げてくれるのです」(本書p020)。

 

 この本の魅力は、ラテン語に関する知識を得ることができることよりも、宗教とは何か、毎日をどうやって生きるか、といったことについて、著者の経験を踏まえながら語っている点です。著者のラテン語の授業が評判になり、多くの大学生が聴きに来たというのもうなずけます。

 

 高校生以上であれば、十分に理解できる内容です。この本を読んで本格的にラテン語を勉強してみたい−かなりの困難を覚悟して−と思う若い人が出てくるかもしれません。