トンガの大規模火山噴火2022/01/20 15:54

 2022115日にトンガで大規模な火山噴火が起きました。海底でのカルデラ噴火です。

  自身の覚書として調べたことを記します。

 


太平洋プレート

1 太平洋プレート

Alataristarion - File:Tectonic_plates_boundaries_detailed-en.svg, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=39979566による)

 オーストラリアの東のトンガ−ケルマディック海溝が直線状であるのがよく分かります。伊豆マリアナ海溝の北半分も直線状で、よく似た海溝です。

 

・サモアからトンガを通りニュージーランド北島に至る直線状の海溝・トラフがあります。トンガ・ケルマディック海溝とその南に連なるヒクランギ・トラフです。トラフというのは舟底型をした、やや幅が広くて細長い海の凹みです。南海トラフが有名です。海溝やトラフは、プレートの沈み込み帯にできます。

 

トンガ島

2 大規模噴火を起こしたフンガトンガ島の位置

(グーグルアースに加筆)

トンガの東には、北のサモアから南南西に延びる直線状のトンガ−ケルマディック海溝があります。トンガの首都ヌクアロファのあるトンガタプ島などは、更新世の安山岩質火山活動で形成されました。トンガ−ケルマディック海溝や伊豆小笠原マリアナ海溝では、火山島と海底火山からなる海洋島弧が形成されています。海洋島弧では、玄武岩だけでなく流紋岩も大量に噴出します。今回の噴出もおそらく流紋岩マグマと思われます。

 

・トンガ付近の海溝は、ほとんど直線です。これは、沈み込むプレートの傾斜が急だからです。千島列島−北海道や東北日本の海溝と形が違います。日本列島は、花綵(はなづな)列島とも言われるように垂れ下がったような形(弓形)をしています。リンゴを二つに切ると切れ目は直線になりますが、食べやすいようにと斜めに包丁を入れると弓形になります。つまり、沈み込むプレートの角度によって海溝系の形が違ってきます。このような違いができるのは、一つは沈み込むプレートの年代が関係しています。古いプレートは冷え固まって密度が大きくなっているので、突っ込むようにマントルへ沈んでいきます。新しいプレートは、温度が高く密度が小さいので逆に浅い角度で沈んでいきます。このトンガ−ケルマディック海溝が直線状になっているのは、それだけでは説明できないように思います。同じような直線状の沈み帯は、房総沖から小笠原諸島までの伊豆・マリアナ海溝の北の部分です。

 

・プレートが沈み込むと、ある深度でマグマ(液体)ができ、これが浮上してきて火山ができます。日本では東北日本であれば奥州山脈付近に火山ができます。トンガ付近では、急角度でプレートが沈み込んでいるのと島が十分成長していないため海溝からあまり遠くない海底(背弧海盆:日本海に相当)に火山ができます。

 

・地球上で火山ができている所は、アイスランドのようなマントル物質の湧き出し口(海嶺)、ハワイのようなホットスポット、そして日本列島のようなプレートの沈み込み帯です。前二つの火山は、流動性の高い玄武岩質の溶岩を出すのであまり危険はありません。沈み込み帯では、粘性の高い安山岩質あるいは流紋岩質のマグマが出てくるので爆発的な噴火になります。その典型がカルデラです。

 

・今回噴火したフンガトンガ島は、水深1,500m付近の海底から立ち上がった円錐台形の火山の頂上のカルデラです。このカルデラ内の北東にフンガトンガ島、北西にフンガハーパイ島がハの字に分布しています。これらの島の南東側で噴火が起きたと推定されています。

 余談ですが、2021年8月13日に大規模な噴火をして大量の軽石を放出した福徳岡ノ場は、伊豆マリアナ海溝に沿った火山列の火山です。

 

20151224日以降に取得されたグーグルアースを見ると、フンガトンガ島とフンガハーパイ島の間に火口があり陸続きになっています。この火口は、2015年の噴火で形成されました。

 

フンガトンガ島

3 フンガトンガ島とフンガハーパイ島

(グーグルアースに加筆)

カルデラの範囲は、グーグルアースの海底地形を見て推定したものです。朝日新聞がニュージーランドのオークランド大学への取材で得た情報では、カルデラの大きさは北西−南東方向に約6km、北東−南西方向に約5kmの形になっています(朝日新聞 2022118日朝刊)。


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://geocivil.asablo.jp/blog/2022/01/20/9457584/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。