本の紹介:みんなの放射線測定入門 ― 2014/04/16 10:22

小豆川勝見,みんなの放射能測定入門,2014年3月,岩浪科学ライブラリー。
福島第一原子力発電所の崩壊によって,日本国民は放射性物質と長い間付き合わなければならなくなってしまいました。と言うことで,放射性物質の拡散について疑問に思っていることに対して,放射能測定の立場から分かりやすく解説した本です。「無用な被曝は避ける」ことが重要であると言うのが著者の立場です。
正確な放射能測定が,いかに難しいかが具体的に書かれています。
測定機器については,ヨウ化ナトリウム(NaI)シンチレーションカウンタとゲルマニウム半導体検出器のガンマ線スペクトルを示して,二つの方式の得意・不得意が分かりやすく説明されています。
放射性物質の移動についても具体的に説明されています。歩道上の植栽に放射性セシウムが濃集していた例,人工河川堆積物中への放射性セシウム濃集の例,濃集スポットでも放射性セシウムの場合と石材に含まれているカリウム40による場合があることなどが述べられています。
同じ試料をいろいろな測定器で測った比較も載っています。その結果では,本来の値は毎時6.6マイクロシーベルトであるものが,機種によって毎時1.07マイクロシーベルトから8.11マイクロシーベルトまでばらついています。機種の問題のほかに,測定時間などの測り方の問題が大きいそうです。
福島第一原発敷地周辺のモニタリングポストの空間線量率は,毎時1.7〜5.0マイクロシーベルトです(2014年4月15日20時50分現在)。単純に計算すると年間累積量では約15ミリシーベルトになります。1号機の西北西にある事務本館南側では,約毎時130マイクロシーベルト(同上),年間累積量で約1,100ミリシーベルトです。
これらの放射性物質は拡散し続けているのです。
さらに,これから日本では,いやでも廃炉の時代に入ります。廃炉作業では環境中への放射性物質の放出は避けられません。
放射能に関心を持ち,余計な被爆は避けるためにも,測定の基本くらいは抑えておく必要があると感じます。
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