ジオパーク2006/08/30 20:52

ジオパーク

 地質学的重要性だけでなく,考古学的,生態学的もしくは文化的な価値もある一ないしそれ以上のサイトを含む地域で,その地域の社会・経済発展を促進するための経営計画を持っていて,地質遺産を保存・改善する方法を示し,地質科学や環境問題の教育に資することができ,世界遺産の保存に関する最善の実践例を示し,持続可能な開発戦略へ融合していく国際ネットワークの一翼を担う地域がジオパークである.

 つまり,地質遺産を守り,地質景観や環境問題について教育,研究し,持続可能な開発を保証するのがジオパークの活動になります.
 現在,ユネスコにより認定されているジオパーク(世界地質公園)は,33箇所で,中国12箇所,ドイツ6箇所,イギリス4箇所,フランス3箇所,オーストリア・イタリア・ギリシャが2箇所,アイルランド・スペインが1箇所となっています.(以上は,地質情報整備・活用機構ホームページを要約)

 糸魚川市ではフォッサマグナ・パーク,小滝川ヒスイ峡,高浪の池,海谷渓谷,月不見の池などをジオパークと呼んで整備しています.ただし,これはユネスコに認定されたものではありません.

 ジオパークを日本語でと言うと地質公園となります.しかし,ユネスコが言っているのは,考古学的な価値,生態学的な価値,文化的な価値を含んだ地域であることが条件ですので,だいぶニュアンスが違います.
 日本で言えば国立公園に文化的な価値を加えたような総合的な地域の整備が必要です.ジオパークは,社会的,経済的な持続的発展計画を持つ必要がありますから,当然,行政と一体となって人々が楽しんで文化的に向上できるような施設や交通網,宿泊設備などを備える必要があります.これは当然,地域振興に繋がります.

 日本では,北海道は自治体がひとつであり行政上の制約が少ないという点で,取り組みやすいという利点があります.
 例えば,有珠山を中心に伊達の善光寺や各種遺跡,先住民の生活などを知ってもらうほか,休廃止鉱山跡の整備など様々な分野での環境問題へのアプローチができます.
 ジオパークに認定には,地質調査総合センター(JGS)の推薦が必要ですが,この点でも北海道には北海道産学官連携センター(地質連絡室)があり,活動しているのは大きな強みです.

 日本の自然と文化を発展的に保護していく上で貴重なきっかけになると思います.

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広島の水道送水トンネルの陥没2006/08/31 20:33

広島の水道送水トンネルの陥没 06年8月31日

 広島で発生した水道の送水トンネル陥没は,水位が低下したことで発見された.陥没は,典型的な押し抜きせん断破壊で岩塊がトンネルに落下した箇所では,周りに円形の破断面が形成されている.トンネル天端(てんば)に入ったクラックは長さ約45mにわたっている.この付近に地質は花こう岩と想定され,トンネル方向の節理に沿って岩塊が滑り出したものと想定される.陥没の形態は,JR函館線礼文華トンルでのコンクリート片落下に似ている.

 中国新聞の写真を見るとトンネル内に落下した岩塊の下には鉄筋が見られる.写真を見る限り単鉄筋のようである.
 このトンネルは建設されてから40年が経過しているというから,1960年代(昭和35〜昭和45))に建設されたものである.
 水路トンネルの場合,内圧がかからない無圧トンネルの場合は,断面形状は馬蹄形が標準であるのに対し,内水圧が水圧高さにして10m以上の場合は,円形断面とするのが一般的である.また,鉄筋で覆工を補強する場合は,二重鉄筋とする.

 トンネルについては,新設時のデータを管理し,供用後も定期的に点検を行う体制が出いているし,技術的には新設時データと供用後点検データを結合させることは難しくない.点検の意義を把握し予算処置が取れるかどうかの問題の方が大きいように思う.

 社会基盤のメインテナンスについて,本腰を入れて取り組む必要があることをこの事故はあらためて示したと言える.

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