安保関連法違憲訴訟・北海道(控訴審)第3回口頭弁論期日2021/01/28 17:08

2021127日(木)15時から、札幌高等裁判所で表記期日がありました。普通は60人ほど傍聴できるのですが、今回は29人に制限されました。幸い抽選にならなかったので傍聴することが出来ました。今回が控訴審の結審弁論でした。

 

川原茂雄氏

写真1 弁論後の報告集会で挨拶する川原茂雄氏

右は高崎弁護士と藤本弁護士です。

 

吉田弁護士

写真2 報告集会で司会をする吉田玲英あきひで弁護士

 

まず、吉田玲英弁護士が、アフガニスタンでの戦争の映像を法廷内のスクリーンに映しました。戦争になった場合の被害の大きさが実感できる映像でした。その後、最終準備書面の要旨を述べました。吉田弁護士が強調したのは、裁判所が憲法の原則に立ち返って多数派の横暴がまかり通る国会、国民に寄り添おうとしない内閣の暴走を止めるべきだと言うことでした。

 

その後、原告団共同代表の川原茂雄さんが意見陳述をしました。概要は次のとおりです。

 

19739月、長沼ナイキ事件で札幌地方裁判所の「自衛隊違憲判決」が出た時、高校生だった川原氏は「憲法」「裁判所」「裁判官」という言葉が具体的に目の前に現れたと感じました。


高校の社会科の教師となった川原氏は、「憲法を語る弁護士と教師のコラボ授業」を行いました。20147月に安倍内閣は、集団的自衛権行使を容認する閣議決定を行いました。その後に川原氏が行った「憲法を語る弁護士と教師のコラボ授業」の様子が新聞に紹介されました。すると間髪を入れず、北海道教育委員会(道教委)から学校の管理職に対して授業についての問い合わせの電話がありました。道教委が問題としたのは、授業の中で「集団的自衛権」について弁護士と川原氏の間でどのようなやりとりがあったかと言うことでした。授業の内容は、年間計画で位置づけていて学習指導要領に則ったものでした。その後も、道教委は川原氏の授業内容に露骨に干渉してきました。


以上のような事態は、安保関連法によって川原氏の人格権が侵害され、多大な精神的苦痛を受けた具体的事例だと川原氏は主張しました。


安保関連法違憲訴訟に対する札幌地方裁判所の一審判決では、憲法が保障する「平和的生存権」は法律上保護された具体的権利であるとは言えないとしています。上に述べたような具体的な人権侵害・精神的苦痛について、憲法の精神に則って判断するのが裁判所の役割です。


以上が川原氏の弁論の要旨です。

 

国側は若い検事が二人ともう一人が出席しました。裁判長の「国側はありませんね」という問いに首を縦に振っただけで、一切発言しませんでした。勝つに決まっていると思っているようです。

 

2020918日に行われた前回の尋問では、本人尋問として平 和子氏、証人尋問として濱田邦夫氏(弁護士、元最高裁判所判事)、半田 滋氏(ジャーナリスト、元東京新聞論説委員)、清末愛砂氏(室蘭工業大学・准教授)、猫塚義夫氏(医師、北海道パレスチナ医療奉仕団)が陳述しました。

これらの発言が冊子になりました。連絡先は下のとおりです。

 

安保法制違憲訴訟 北海道の会

札幌市中央区大通西10丁目4番地133 南大通ビル7F

たかさき・渡部法律事務所内

ファックス:011-261-7718

 


冊子

冊子「私たちは、平和にくらしたい」の表紙