第64回 試錐研究会 ― 2026/02/20 13:10
道立研究機構 エネルギー・環境・地質研究所主催の第64回 試錐研究会が、2026年2月18日(水)午後1時から午後5時10分まで、札幌サンプラザで開かれました。
特別講演2件と一般講演3件がありました。Zoomで視聴しました。
プログラムは下記のとおりです。
なお、第64回 試錐研究会の講演資料は、エネ環地研のホームペジからダウンロードできます(2026年2月20日 確認)。
( https://www.hro.or.jp/industrial/research/eeg/index.html >新着情報>2025年12月24日「第 64 回試錐研究会(CPD 対象)」を開催します【2026年 2/18(水)】 )
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■ 開会の挨拶
北海道立総合研究機構 エネルギー・環境・地質研究所 所長 山越 幸康
■ 特別講演
径違いのビットを切り替えて行う二重ビットコアリングによる地殻応力測定法の開発
東北大学 流体科学研究所教授 伊藤 高敏
苫小牧 CCS 実証試験について
日本 CCS 調査株式会社 苫小牧 CCS 実証試験センター センター長 石和田 彰
■ 一般講演
全国地質調査業協会連合会 新しい時代の地質調査技術検討 WG の活動紹介~災害時に活用できる地質調査技術カタログの作成~
応用地質株式会社 DX 推進本部 副本部長 兼 共創 Lab 副所長 濱田 俊介
レッカ型帯水層の調査方法について
株式会社アクアジオテクノ 技術部 資源開発グループ 主任 高橋 昂甫
温泉法に基づく許可申請について
北海道保健福祉部健康安全局食品衛生課 環境衛生係長 笹川 朋哉
■閉会の挨拶
北海道地質調査業協会 理事長 千葉 新次
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興味を持った発表の概要を紹介します。
<伊藤高敏氏>
研究分野は岩石力学あるいはジオメカニクスです。
シェールガスの開発、二酸化炭素地下貯留、地殻応力などの研究を行ってきました。
地熱流体の移動は、臨界状態にある断層が主役となっています。このような断層を探るためには、地殻応力の測定を深度2,000m、温度200-300℃の条件で行う必要があります。地殻応力の測定は水圧破砕法がありますが、この方法は高温に耐えられません。そこで、応力解放法を開発しました。
地殻応力は、岩盤の自重が作用する鉛直応力と水平面内での最大主応力、最小主応力があります。水平面内での応力はプレート運動によって発生する成分で、深度とともに線形に増加します。なので、外挿が可能です。深度1kmあたり25MPaの割合で増加します。
断層に作用する応力のうち、鉛直応力は正断層では最大応力になり、逆断層では最小応力、横ずれ断層では中間応力となります。断層でずれると隙間ができます。この運動は、せん断変形で体積変化はありません。透水性岩盤は、鉛直に近いすべり割れ目を持っています。非透水性岩盤では、すべらない割れ目があります。割れ目の向きは最大応力の向きです。
地熱地帯での応力測定で採取されたコアは楕円形に膨張します。膨張量に弾性係数をかけた値が地殻応力になります。
この膨張量を正確に測るために二重ビットコアリング法(DBC法:Dual Bit Coring法)を開発しました。この方法は、内溝(径の小さいビット)である程度掘削した後、外溝(径の大きいビット)で内溝より深くまで掘削します。その後、内溝でさらに深くまで掘削し地殻応力で変形していないコアを採取します。採取したコアの直径を全周にわたって測定し、またヤング率の測定も現場で行います。数値的におかしければ、すぐにもう一度試料採取を行います。コアの方位はビットに連結しているロッドの地表部で測定します。
模擬岩体を作成し室内実験を行いました.また、数値シミュレーションで測定原理の検証も行いました。
岐阜県の神岡鉱山で試験を行いました。土被りは500mです。北上や登米でも試料採取と試験を行い、北西-南東方向に膨張していることを明らかにしました。
<石和田 彰氏>
都立大学を卒業後、三菱ガス化学に入社しました。アンモニアやメタノールを扱ってきました。
CCS(Carbon dioxide Capture Storage )というのは、削減しきれない二酸化炭素を地中に埋めるということです。
2008年に苫小牧で実験を始めました。二酸化炭素の分離・改修・利用・輸送・地中貯留を扱います。輸送は、トラックや鉄道、パイプラインも考えられますが、船舶輸送が現実的です。
地下貯留には貯留層となる砂岩などの隙間の多い岩盤とその上部に泥岩などの遮水層が必要です(構造トラップ)。そのほかに、残留トラップ・溶解トラップ・鉱物トラップなどがあります。
日本では、11地点で160億トンの貯留が可能です。
二酸化炭素の発生源としては、火力発電所、セメント工場、製鉄所、化学工場などがあります。
二酸化炭素の回収方法としては、アミンに吸収させる、吸収+膜を使う、膜分離、吸着などの方法があります。吸着が最もコストがかかりません。幾つかの手法を併用するのが現実的です。
二酸化炭素の排出量は、中国、アメリカ、欧州連合、インド、ロシアについで日本は6番目に多い国です。日本は、二酸化炭素排出量11〜12億トンの内1.2〜2.4億トンをCCSで処理する方針です。
国内では、新潟県の頸城油田、秋田県男鹿市の申川油田、長岡地域などで CO2圧入試験を行っています。
この後、苫小牧における実証試験の詳しい話がありました。
途中から掘削方向を曲げる傾斜井、貯留槽中の二酸化炭素のモニタリングのための反射法探査、二酸化炭素の圧入による人工地震発生のモニタリング、海洋環境調査など第一級の地質調査技術が使われています。
<感 想>
地殻応力の測定は非常に魅力的な技術です。地下空間を安全に構築するには、どの程度の初期地圧がどの方向から作用しているかが重要です。
ただ、この方法では、一定の長さのコアの採取が必要で岩盤状況の悪い場合は使えないのでしょう。
2026年の歩くスキー大会 ― 2026/02/20 20:27
2026年1月25日、2月1日、2月8日と、3週続けて歩くスキー大会に出ました。
<2026 HBCラジオ ハウス 歩くスキー大会 10km>
2026年1月25日(日)に開催されました。会場は白旗山競技場です。
会場へは地下鉄大谷地駅からの送迎バスで行きました。大谷地駅から地上に出た時には、やや横殴りの雪が降っていました。
スタート前の状況
スタート前は遠くがかすむほどの雪の降り方で、風も少しありました。
5kmコースを2周するのですが、2週目の6km過ぎで、コース案内看板を回収するスノーモービルに追われるようになりました。スキーが全くすべらず、滑走面に雪がくっつく状況でした。スキーを履いて歩くのはあきらめて、ゴール手前までスノーモービルに乗せてもらい、最後はスキーを担いで走ってゴールしました。
長いことクロスカントリースキーをやっていますが、初めての経験でした。木々に積もった雪がコース上に落ちてくると、スキーはすべらなくなります。理由は分かりません。強風にさらされた雪のすべりも悪いですが、これは多分、滑走面で雪が融けにくくて滑らないのだろうと考えています。
<第46回 札幌国際スキーマラソン大会 10km>
2026年2月1日(日)に白旗山競技場で行われました。
前週のことがあったので非常に不安でしたが、天気は良くスキーはよく滑りました。
コースは前週とほぼ同じで、5kmコースを2周します。スタートして少し行ったところに急な上りがあります。あとは上り下りを繰り返しながら競技場に戻ってきて、もう一周します。
10km男子で完走した人の中で後ろから3番目でしたが、辛うじて1時間30分を切ることができました。
コースは整備されていてスキーも滑り、気持ちよく歩くことができました。参加費がちょっと高いですが、これからも出ようと思っています。
この大会は、ワールドロペットの大会なので、外国人も結構参加しています。かつては50km、25kmのコースでしたが、コースの整備がままならないのか、最近は10kmコースを周回するようになりました。
さらに前は、羊ヶ丘展望台付近がスタート、ゴールで、50kmは白旗山競技場が30km地点になっていて、30kmの記録も取ってくれていました。
なお、ワールドロペット大会というのは、世界中の20の長距離クロスカントリースキー大会で作っている組織が認証した大会のことです。ロペット(Loppet)は、元来スウェーデン語で、「ゆっくり走る」という意味だそうです(weblio辞書 による)。ただし、Deepleで翻訳すると
the race と出てきます。GoogleのAIの回答も「走る」または「レース/競技」となります。
<第36回 おおたき国際スキーマラソン大会 7km>
2026年2月8日(日)に伊達市大滝区の長流川左岸の大滝運動公園をスタート・ゴールで行われました。
この日も条件は良く、気持ちよく歩くことができました。運動公園をスタートして1km半ほど緩やかに下っていきます。Uターンして長流川沿いに上って行き、5km手前で再びUターンして運動公園に向かいます。
ちょっと前は、上流側のUターンの所に崖のような下り坂があったのですが、それはなくなって楽なコースになりました。

大滝スキーマラソンコース図
それにしても、クロスカントリースキー大会の参加者は激減しています。今、冬季オリンピックで盛り上がっていますが、この先どうなるのか心配です。
札幌市内の公園に設置されているクロスカントリースキーのコースも、あまり整備されていないことが多いです。
誰もが冬のスポーツを楽しめる環境が整えば良いのになと思います。底辺の広がりがなくなれば一線級の選手も出てこなくなるでしょう。
