本の紹介:迷い沼の娘たち ― 2025/01/20 09:23

ルーシー・ストレンジ、中野怜奈訳、迷い沼の娘たち。静山社、2024年11月。
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はじめの娘は玉の輿
家にのこすは二番目よ
農家についた娘なら
三人目の子に害はなし
四人目、五人目、嫁にやれ
さなくば六番目の娘
親の骸をうめるだろう
迷い沼につたわる「六人の娘の呪い」
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上の文言は、本書の冒頭に書かれている言い伝えです。
多くの沼に囲まれた湿地の中の村に住む六人の姉妹の話です。
話の中心は三番目の娘、ウィラです。それぞれの娘は、個性豊かで魅力的です。それに姉妹のおばあちゃんも魅力的です。
この本を紹介していた新聞の欄では、中学生向きと書いてありましたが、大人が読んでも十二分に面白いです。色々な読み方があると思いますが、私は六人の個性を楽しみながら読みました。
翻訳者の「あとがき」によれば、この話はイギリス南東部のロムニーマーシュ(ロムニー湿地)に住む人たちの生活が土台になっているとのことです。Google Earthで見ると、イギリス海峡に面した海岸から5kmほど入ったところにオールド・ロムニーがあり、同じく2kmほどのところにニュー・ロムニーがありあます。いずれの町も畑に囲まれています。 物語の頃の自然が残っているのは、南のダンジネスの辺りだろうと思います。見事な砂丘列があり、海跡湖と思われる湖が点在しています。