本の紹介:琉球外交史 ― 2026/11/05 16:29

渡辺美希、琉球外交史

 渡辺美季みき、琉球外交史 唐トー・大和ヤマトゥの御取合ウトゥイエー。講談社選書メチェ、2026年8月。

 

 沖縄に大陸からヒトがやってきたのは約四万〜三万年前のことですが、農耕社会へ移行したのは十一世紀後半(日本で白河上皇による院政が始まる頃)です。

 九世紀頃から琉球列島がある東シナ海は華人海商が行き来する海になり、奄美・沖縄諸島と宮古・八重山諸島が琉球文化圏としてまとまりはじめます。そして、大陸に明が建国されると朝貢国の一つとして、明と琉球の君臣関係が成立します。

 

 1600年の関ヶ原の戦いのあと、1609年に薩摩の島津軍が琉球を制圧しました。これによって琉球は、明・日本と二重の君臣関係を有する「狭間の王国」としての道を歩み始めます。

 明治維新後、1879(明治十二)年に明治政府によって琉球藩が廃止され、沖縄県が設置されました。

 

 琉球は、歴史時代を通じて戦争をしないできた珍しい国家だったという印象を持ちました。戦争をしないための交渉を、知恵を絞って粘り強く行ってきたことが印象的です。

 

 沖縄を理解するための非常に優れた内容の本です。参考文献も充実していて、こんなに沢山の研究が成されているのかと驚きました。