本の紹介:ヒトとAI ― 2026/09/18 20:19

岡野原大輔、ヒトとAI。岩波新書、2026年7月。
本の帯に
仕事、学習、経済、
社会のこれからを
読者が自ら思考する
ための見取り図。
と書かれているように、ヒトとAIの関係をどう考え、対応したら良いのかのヒントを与えてくれる本です。
「おわりに」で著者はこう述べています。
『本書を通じて繰りかえし問うてきたのは、「誰が判断し、誰が責任を負い、誰が主体として行為するのか」という問いである。(中略)判断過程が不可視になる世界でそれでも責任を引き受けるのは人間である。』
グテレス国連事務総長が、AIを安全で透明性があり、説明責任を果たすものにし、「人間の尊厳を中心に据える」安全策の構築が必要だと訴えたと報道されています。
国連は2026年7月に「AIに関する独立国際科学パネル暫定報告書 AIの機会、リスク、影響のエビデンスに基づく評価」を発表しました。東京大学、松尾・岩澤研究室が日本語版(非公式訳)をインターネットで公開しています。
AIは生活の中に溶け込んでいます。
例えば、ショッピングセンターにはゲートのない駐車場があります。しかし、買い物をして駐車場から出るには駐車料金の精算が必要です。精算機で車の番号を入力すると料金が出てきます。金を払ってゲートのない駐車場から出ます。駐車場に入るときに車の番号を写真に取っていて、精算時に車の番号を入力することで駐車時間に応じた料金が請求される仕組みのようです。
おそらくこれ、AIの助けなくして稼働しない仕組みだと思います。
仕事でも日常生活でもAI無くして便利な生活を送ることができない社会になっています。
AIに翻弄されないで賢く付き合っていくためにも、できるだけ多くの人に読んで欲しい本です。ちょっと類書が無い貴重な本と思います。
伊藤健次氏講演会:日高―野生の山脈を歩く ― 2026/09/11 09:49
北海道自然保護協会 自然を語る会 講師:伊藤健次氏(写真家) 日高―野生の山脈を歩く

伊藤氏講演会の案内チラシ(部分)
北海道自然保護協会主催の講演会が2026年9月8日(火)夜6時から8時頃まで開かれました。場所は、札幌市の北海学園大学 教育会館でした。
はじめに、北海道自然保護協会の在田一則会長が挨拶をしました。伊藤氏は、在田氏が日高の地質研究をしているときに、地質調査で採取した岩石試料を運ぶ手伝いをしたそうです。二人は北大山スキー部の先輩、後輩の関係です。

講演後、質問に答える伊藤健次氏
左が伊藤氏で、右の立っている方が在田会長です。
伊藤氏は大学5年目の2月に、日勝峠から襟裳岬まで26日かけて縦断しました。その後ロシアや極東の山を登り、再び日高に戻ってきました。日高の特徴は、懐が深いということです。
当時の日高は登山道が無い山が多く、沢を登って頂上へ行くと言うことが多かったです。山に登っていると、いろいろな花に出会います。戸蔦別岳の南にある幌尻岳・七ッ沼カールにはヒダカゲンゲやミヤマエンドウなど見られます。また、石灰岩のブロックがあるので、珍しい植物を見ることができます。
1970年7月に福岡大学のワンダーフォーゲル部がカムイエクウチカウシの東斜面にある八ノ沢カール出合いでクマに襲われる事件がありました。幌尻岳の七ッ沼カールでもクマはたくさんいます。クマは、ハクサンボウフウが好物です。
シマフクロウはアカダモの木が好きです。エサとなる魚がいる川があることや巣となる大きな木の洞(うろ)があることが必要です。
伊藤氏の話は1時間半ほどで、ここに紹介しきれない内容でした。
伊藤氏は、2026年8月に「日高への旅」という本を北海道新聞社から出しています。また、「伊藤健次の北の生き物セレクション」(北海道新聞社、2023年9月)もあります。
山が好きな人には、たまらなく面白い本です。

伊藤健次、日高への旅。北海道新聞社、2026年8月。
北海道自然保護協会は、自然を語る会や市民自然観察会を開いています。ホームページのURLを下に示します。
< https://nc-hokkaido.or.jp >
HBA CLASSIC CONSERT 2026 ― 2026/08/27 14:49
当日配られたパンフレットの表紙
現田茂夫指揮の札幌交響楽団と牛田智大(ともはる)のピアノの演奏会でした。場所は中島公園にある札幌コンサートホール(キタラ)の大ホールでした。
圧巻はやはり、牛田さんの ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番ハ短調Op18でした。細身の身体で表情豊かに演奏しました。
札響は多分、フルオーケストラでハープが加わっていました。
HBAというは、設立時の名前が 北海道ビジネスオートメーション株式会社というIT企業で、現在の社名は 株式会社HBA です。
キタラにはSHIGERU KAWAI のピアノが常設されています。今回使われたのは、このピアノだと思います。独特の明るい音色が特徴だと思っています。
中島公園と藻岩山
夕方のキタラ
本の紹介:継体天皇 ― 2026/08/26 16:25

河内春人、継体天皇 六世紀に現れた世襲王権の「始祖王」。中公新書、2026年5月初版。
5世紀末までは畿内を中心に王族集団の王が交代で大王(天皇)となっていました。507年に大王に着いた継体天皇以降は、天皇は世襲となりました。
継体天皇以前は、大王になることができる幾つかの集団がありました。河内に拠点を置く古市集団、和泉の百舌鳥(もず)集団、奈良盆地の馬見集団、そして継体天皇の出自である北陸集団などがありました。
北陸と行っても越前付近で、継体天皇はそこから次第に南下して、琵琶湖西岸の三尾、そして巨椋(おぐら)池の下流の樟葉(くずは)を拠点としました。この付近には継体天皇の陵墓とされる今城塚古墳があります。
継体天皇の曾祖父(ひいおじいさん)に当たるオホホド王の時代から、北陸集団は奈良盆地や東の美濃方面にもつながりを持っていましたし、太田茶臼山古墳を巨椋池の出入り口である三島に造営していました。
そのほか、磐井の乱や朝鮮半島との交流などについても詳しく述べられていて、天皇(大王)について考える良い助けになります。
第5回白旗山トレイルレース9kmコース ― 2026/08/22 18:18
5回目となる白旗山トレイルレースの9kmコースに出ました。2024年の第3回から出ています。9kmの周回コースを3周する27km、2周の18km、1周の9kmの種目ががあります。
今回は息子が18kmに出たので、何とか追いつかれないよう頑張ったのですが、私がゴールする500mほど手前で追いつかれました。
天気が良く風は少し涼しい感じで、走るにはとても良い気候でした。
図1 9kmコースの平面図と高低図(TrailNoteによる)
私にとって、このコースの難所は2.7kmから白旗山の頂上の3.9kmまで続く上りです。比高は約130mです。この坂は安山岩でできています。
白旗山の頂上へ向かうコースの標高200m付近から上が安山岩からなる白旗山溶岩(中新世〜鮮新世)です。頂上から下って給水所のある4.3km付近までが安山岩の分布域となっています。
地質図Naviでは、白旗山競技場付近の緩斜面はチバニアンの段丘堆積物としていますが、実体はよく分からないと思います。
白旗山の北西にある焼山、南にある島松山が同じような地質構成となっています。で、この時代の代表は、手稲山の安山岩溶岩です。
写真1 白旗山頂上への入口
写真2 白旗山の頂上
左手の橙色は防火用水の入ったポリタンクです。
写真3 4.5km付近の眺望
空沼岳から狭薄山までが見えます。
写真4 ゴール
本人は走っているつもりですが、どう見ても歩いているようにしか見えません。







