空間放射線量2021/06/04 18:03

2014525日から放射線の空間線量を「はかるっち2」で計っています。計れるのはガンマ線だけですが、その時点での線量を計れるのと同時に累積線量を表示できます。

202154日に累積線量が10mSvの手前でリセットされました。

 

この7年間の累積線量は9.12mSvですので平均すると年間1.3mSvです。日本で1年間に自然環境から受ける平均的な線量1.5mSvをかろうじて下回っています。

 

下の累積グラフに示すように、20174月まではほぼ直線で推移していて、時間当たり0.07マイクロシーベルトでした。年間0.6mSvです。

ところが、この頃から累積線量の傾きが大きくなり、201864日までは時間当たり0.13μSv、年換算1.1mSvでした。その後、さらに勾配は大きくなり現在に至るまで時間当たり平均0.23μSvとなっています。この値は年間2mSvに相当します。


 

放射線量累積グラフ

1 累積空間放射線量

赤い線が累積空間放射線量で、青い点は時間当たりの空間放射線量です。横軸は累積日数です。


 

このように、空間線量の増加率が高くなっているというデータが出ています。すでに計測から7年が経過しているので計器の異常かもしれませんが、ほぼ一定の値を示しているので正常に動作していると考えています。

 

原因は福島第一原子力発電所からの放射能しか考えられないでしょう。しかし、何が原因でこのように空間放射線量の増加率が増えているのか全く分かりません。私の住んでいる札幌は福島第一原子力発電所からほぼ北に約630kmです。


 

事故直後の放射線量

2 福島第一原子力発電所事故直後の被ばく線量

(日本科学者会議福岡支部 核問題研究委員会、2011

 2011331日の時間当たりの線量です。時間当たり0.23μSvというのは、この図で見ると福島市(1.8μSv/hr)以外の全ての都市の値を上回っています。


 

広範囲に放射能汚染が広がっていると考えざるを得ません。このような状態を放置して、原子力発電所を再開したり増設したりすることは犯罪的でしょう。

まず、政府、電力業界は、福島第一原子力発電所の後始末に全力を挙げ、環境に放射性物質をまき散らさないように最善を尽くすべきだと思います。核燃料デブリを冷やした汚染水を海に流すというのは論外です。

 

被ばく線量

3 被ばく線量と健康被害

(日本科学者会議福岡支部 核問題研究委員会、2011

 現在、福島原子力発電所周辺での避難指示解除の条件の一つに年間20mSv以下になることが確実であること、という基準があります。この図によれば、10mSvでガンによる死亡の確率が2,0001増加し、100mSv5年間の職業被ばく線量の限度です。つまり、避難指示解除の年間20msvというのは職業被ばく線量の限度なのです。
 色々と基準をいじる前、つまり事故前の基準はこのようになっていたのです。