アポイ岳 ― 2021/10/11 11:08
2021年10月8日、何年かぶりにアポイ岳に登ってきました。
前の日は浦河町西幌別の国道336号脇にある「きむら旅館」に泊まりました。工事関係者に人気の宿のようで、たまたまこの日は空いていたので泊まることが出来ました。外から見るとかなり古ぼけていますが、中は改装をしたばかりのようできれいです。値段が手頃で、料理の味が良く、品数も豊富で、食べきれないくらいです。
8日は9時半前に上り始めました。ゆっくり登って11時半に五合目に着きました。
しばらく休んで午後1時に「馬の背」に到着。暑くもなく寒くもなく風もなく気持ちの良い天気です。ここで昼ご飯をゆっくりと食べ、山のコーヒーを飲み、頂上へは行かず、午後2時過ぎに降り始めました。
帰りもゆっくりと歩いて午後5時前に登山口に着きました。少し暗くなりかけていましたが、なんとか無事戻ってきました。
写真1 砂岩の露頭
標高120m付近の登山道脇の露頭で、5万分の1地質図「浦河」では岡田ユニットの含礫泥岩・砂岩・砂岩泥岩互層となっています。見かけから判断すると砂岩のようです。岡田ユニットというのは後期白亜紀の日高帯・イドンナップ帯の付加コンプレックスです。
今回は転石も含め、石は一切たたいていません。
写真2 平坦な斜面
標高140m付近の登山道がまっすぐな平坦な斜面です。浦河図幅では中位段丘堆積物としています。
写真3 かんらん岩露頭
標高210m付近にかんらん岩の露頭が現れます。かなり緩んでいて、分離した岩塊や開口した不連続面が見られます。冬島川の東側支流の上流の沢の手前です。
写真4 山麓緩斜面堆積物
標高240m付近の登山道脇で見られる堆積物で、角礫とシルト質粘性土から構成されています。西の冬島川と東のコトニ川に挟まれた斜面には、斜面形状から判断して山麓緩斜面堆積物が分布していると考えられます。
写真5 5合目からの頂上
5合目から見た頂上です。頂上付近のカバ類はすでに葉を落としています。
写真6 5合目から7合目と「馬の背」
中央の一番高い尾根が7合目で、そのすぐ右に馬の背の広場があります。
写真7 5合目のかんらん岩
写真8 蛇紋岩化したかんらん岩
割れ目に沿って蛇紋岩化した濃緑色の部分があり、白色のロジン岩(多分)が形成されています。登山道の標高460m付近です。
写真9 マグネシウムに富むかんらん岩
標高520m付近の登山道に露出しているかんらん岩です。
写真10 はんれい岩質岩の転石
登山道に落ちている、はんれい岩質岩の転石です。一目でかんらん岩とは違う顔つきをしていることが分かります。白色の部分は斜長石、黒色の部分はかんらん石や輝石です。斑糲岩の糲は玄米のことで、黒色鉱物の中に白い斜長石の結晶が米粒のように散らばっていることから名付けられたと言います(久城ほか編、1989、106p)。この転石は、そんな風には見えないですが。
写真11 かんらん岩とはんれい岩の「互層」
風化に強いはんれい岩の薄い層が飛び出し、かんらん岩の部分がへこんでいます。7合目と馬の背の中間付近です。このような「互層」は6合目から7合目にかけてよく見ることができます。
写真12 馬の背から西を見る
馬の背の広場から西を見た風景です。尾根の左にエンルム岬、親子岩が見えます。
写真13 馬の背から頂上を見る
頂上は雲に覆われたり晴れたりしています。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://geocivil.asablo.jp/blog/2021/10/11/9431241/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。