2019年1月10日のモエレ沼公園2019/01/11 11:53

約1年ぶりにモエレ沼でクロスカントリースキーをしました.風の無い暖かな,小春日和と言って良い日でした.

ワックスの手入れが悪かったのかスキーが全く滑らず,スケーティングができませんでした.それでも1時間ちょっと身体を動かすことができました.


モエレ沼クロカンコース

モエレ沼公園のクロスカントリースキーのコース

大きく全体を廻ると約3km,Sからの四角のコースが約2km です.ほとんどアップダウンはありません.モエレ山と陸上競技場に挟まれた部分は距離200mほどの上り下りがあります.右側のコースは林の中の気持ちの良いコースです.もう一つ円形のカラマツ林の周りを回る500m ほどの コースがあります.


北海道はまだ冬休みなので,子供たちの姿もちらほらありました.

駐車場料金は取られませんし,ガラスのピラミッドの中は暖かで休むのに最適です.ソリ,歩くスキー,スノーシューは有料ですが貸して貰えます.


モエレ山

写真1 モエレ山

ソリ滑りをする子供の姿がありました.


ガラスのピラミッド

写真2 ガラスのピラミッド

ガラスのピラミッドの側でそり遊びをする子供たち.


ガラスのピラミッド

写真3 ガラスのピラミッドとモエレ山

遠くに藻岩山の頭が見えます.


モエレ山

写真4 モエレ山

北西斜面の上の方は,雪が風で飛ばされて地肌が見えています.


プレイマウンテン

写真5 プレイマウンテン

遠くに手稲山の頭が見えます.


ガラスのピラミッドの中

写真6 ガラスのピラミッド

白い雲が青空をゆっくりと移動しています.写真中央が天辺です.



「憲法改正問題」を真剣に考える。討論会報告(1)2019/01/14 15:28

札幌弁護士会の主催で、表記討論会が2019年1月12日(土)の午後2時30分から午後4時30分まで開かれました。札幌市の「かでる2・7」の大ホール(521席)と4階の大会議室(216名:中継会場)が満席になりました。


パネリストは、石破 茂氏(衆議院議員・自由民主党)、山尾志桜里氏(衆議院議員・立憲民主党)、仁比聡平氏(参議院議員・日本共産党)の3人で、コーディネータは札幌弁護士会・憲法委員会の上田文雄氏と佐藤博文氏でした。

総合司会は、札幌弁護士会の伊藤絢子氏でした。

写真撮影は関係者のみでした。大ホールの前方席に高校生の席が2列ほど設けられていたのが印象的でした。


「憲法改正問題」を真剣に考える。

討論会のチラシ


大ホールでは壇上中央に、向かって左から石破氏、山尾氏、仁比氏がならび、壇の左側に佐藤氏と上田氏が並ぶという状況で、司会は主に佐藤氏が行いました。

16時過ぎに休憩があったので、私は大ホールから4階の大会議室に移りました。こちらは机があったので、メモを取るのが非常に楽でした。


始めに札幌弁護士会・会長の八木宏樹氏が挨拶しました。 

この討論会は、憲法について様々な意見を持つ人が議論を戦わせることが大事だと考えて企画しました。弁護士の立場としては、憲法前文と九条は、海外で戦争しないとしている点で評価しています。ただ、色々な意見の人が議論を戦わせることで憲法についての理解を深めていくことが重要と考えています。


佐藤氏と上田氏の司会で討論会が始まりました。

まず、三人のパネリストに、九条をどう評価しているか、改憲の立法事実があるのか、憲法についての提案があれば出して欲しい、自民党の素案についてどう思うか、といったことについて発言を求めました。


以下、メモをもとに書きますが、内容が違っているところがあるかと思います。


石破氏

故田中角栄氏に出馬を乞われて衆議院選挙に出た。

戦争の経験があるかないかで憲法に対する考え方は変わる。戦争の経験が無い者だけで変えたくないという思いがある。

現憲法の九条のように、解釈の違いが生じるような憲法は失格である。

軍隊というのは、国の独立を守る対外的な実力組織である。軍は国家に従い、警察は政府に従う。

九条1項は国際紛争にどう対処するかを定めている。国家間の紛争ではないテロにどう対処するかの問題がある。

2項の戦力不保持と現に自衛隊が存在することの矛盾をどうするのかの問題がある。

「必要最小限度の実力」とは何なのか。抑止力を発揮できるのか。

交戦権というのはルールであり、ジュネーブ協定に従う。

日本は主権国家であるが、そこに米軍が駐留し、どこでもいつでも米軍が駐留できるというのは主権国家とは言えないのではないか。


山尾氏

真の立憲主義を確立することが必要と考える。

平和安全法制が成立した今、憲法は変わったという現実を認識することと憲法を国民が作りかえるということが必要と考えている。

権力者は縛られたくないという思いを持っている。だから国民の統制が必要である。

立憲的改憲ということを考えている。憲法を変えるということは、法律を含め広い視野で検討する必要がある。

九条については、自衛権の発動要件は政策判断であり、憲法に書くかどうかは別問題である。


仁比氏

今、安保法制の成立により大規模な軍備拡大が行われ、海外で戦争することを許すかどうかという状況にある。米軍と一体で戦争するのかどうかが問われている。

憲法九条の意義と力はどういうものか。戦争に明け暮れた戦前から、敗戦を経て新憲法で九条が誕生した。戦争をしない、軍隊を持たないというのが現憲法の意義である。

日本は米軍の全土基地化という状況に置かれているが、九条の存在と民主勢力の運動の力によって、自衛隊が直接武力を使うことはなかった。

しかし、ベトナム、アフガン、イラクなどの戦争では、日本は米軍の出撃拠点となった。


以上が、三人のパネリストが行った10分間の最初の意見表明でした。

この後、佐藤氏の司会で討論に入りました。


(つづく)




「憲法改正問題」を真剣に考える。(2)2019/01/15 09:54

佐藤氏

戦後、日本が戦争の当事国とならなかったことと九条の関係をどう見るか。


石破氏

憲法九条が一定の歯止めになったことは認める。

しかし、日本には米軍の後方支援と在日米軍基地の維持が期待されていたという面があり、親米感情が強いということがあった。

海上自衛隊による日本周辺海域の哨戒の役割が大きかった。


佐藤氏

石破さんは、1951年に日本が独立したときに軍隊を持つべきであったと立場であるが、その意味を教えて下さい。


石破氏

国家として独立したのであれば軍隊は持つべきと考えている。国際連合は英語では United Nations で、第二次世界大戦の連合国を指す言葉である。憲法九条を守るのであれば、国連憲章の第42条(多分:筆者の推測)の削除を要求すべきである。国際社会はジャングルみたいなものである。


佐藤氏

国際立憲主義への信頼と九条の関係についてどう考えるか。


仁比氏

国際立憲主義の理念は実践されているが、大国の覇権主義が阻害要因となっている。しかし、かつての植民地が独立し、それぞれの主権国家が主人公となりつつあり、大国の覇権主義は崩れてきている。日本を含む北東アジアでも、対話によって問題を解決する努力が行われている。


佐藤氏

山尾さんは立憲的改憲として試案・私案を提案している。国際立憲主義との関係はどう考えるのか。


山尾氏

憲法は理想と現実を折り合わせるものである。憲法上で自衛隊を位置付け、自衛隊を統御する必要がある。アメリカの戦争は、アフガンやイラクなど占領行政に失敗している。


佐藤氏

安全保障と自衛隊の関係をどう見るか。


仁比氏

急迫不正の侵害が加えられたときに自衛するのは当然である。しかし、現憲法は自衛の戦争を肯定しているわけではない。


山尾氏

個別的自衛権は認められる。

自衛権行使は、旧三要件(*注:わが国に対する急迫不正の侵害があること、この場合にこれを排除するために他に適当な手段がないこと、必要最小限の実力行使にとどまるべきこと:昭和47年政府見解)で縛るべきである。自衛権の見直しは必要である。


佐藤氏

集団的自衛権は憲法上認められるのか。


石破氏

集団的自衛権は憲法からは出てこない。行使するかどうかは政策判断である。

日米安保条約によってアメリカは日本を防衛する義務を負っているかわりに、日本は基地を提供する義務がある。日本は専守防衛である。


佐藤氏

日本が攻撃された場合、米軍はどうするか。


山尾氏

日本が自ら守ることが第一である。対米関係は平等ではない。


上田氏

休憩して、そのあと平和を保つにはどうしたらよいのか議論したい。


(前半終了。つづく)



「憲法改正問題」を真剣に考える。(3)2019/01/15 14:42

休憩後の続きです。


佐藤氏

自民党は軍事費を倍増させようとしている。これをどう考えるか。


石破氏

軍事費は状況によって変化する。どのような戦力を何のために持つのかの議論が先である。文民統制を貫くなら国会で武官が答弁できるようにするべきである。F35Bの運用をどうするかなどの議論を国会で行うべきである。

どのような脅威に対してどう対応するのかの議論が必要である。例えば、日本には戦争時に備えたシェルターがほとんど設置されていない。日本を攻撃させないという態勢を作ることも必要で、それらも含めて防衛費を考えるべきである。


佐藤氏

国の予算の使い方について、札幌市長を経験した上田さんの意見を聞きたい。


上田氏

全てが平和でなければと思う。防衛費の GDP比1%という枠は意味が無い。紛争原因をなくすのが一番である。核兵器の問題と同時に原発をどうするのかにも対応しなければならない。


佐藤氏

軍事以外の面で九条改憲について意見を伺いたい。


仁比氏

安倍退陣が第一の課題である。その上で安保法制を廃止する。地元が反対しているイージスアショアの押しつけ、武官からも批判が出ている F35B の大量購入などをやめ、軍縮に向かう必要がある。北東アジアの平和を築く交渉も大事である。


山尾氏

抑止力を持つことは大事である。集団的自衛権は相手を挑発する。日本は人権国家を押し出すべきである。憲法というルールを守る。


石破氏

自民党は野党の時に綱領を作り直した(平成22年綱領)。憲法について野党との議論が必要である。

軍事については疑心暗鬼のジレンマに陥っている。防衛大臣の時、中国軍の幹部に機密事項を除き自衛隊の全てを見せた。北朝鮮の実態を考えると日本を守る態勢が必要である。偶発的な原因で戦争が起きないようにすることが大事である。領土・民俗・宗教など戦の種はいくらでもある。


佐藤氏

改憲についてどう考えるか。


石破氏

平成二十四年(2012年)の「日本国憲法改正草案」が自民党の素案である。「武力行使の新三要件」とセットである。改憲にあたっては、解釈の違いをなくすことが必要である。九条の2項を残したままの3項追加はおかしい。


佐藤氏

山尾私案をどうするか。


山尾氏

良い改憲と言うと話が混乱する。少なくとも数年かけて議論する必要がある。憲法に自衛隊を書くと最大限まで拡張される。


佐藤氏

どこの国が日本に攻めてくると考えるか。


石破氏

力のバランスである。力×意志で攻撃するかどうか決まる。アメリカは日本を攻撃する意志はない。その他の国は、攻撃する意志はゼロではない。


山尾氏

日本と同時にアメリカを攻撃する。


仁比氏

国レベルや民間での交流がある。日本を攻めて得することはない。ただし、駐留米軍が標的になることはあり得る。


佐藤氏

国民投票法(憲法改正国民投票法)について意見を聞きたい。


仁比氏

国民投票法は第一次安倍内閣の2007年5月に成立した。改憲への一里塚である。その内容は、憲法96条に反する不当な仕組みとなっている。憲法の私物化と言って良い。


山尾氏

政府のコマーシャルと有料コマーシャルの二つの問題がある。衆参議院から10人の委員を出し、国民投票広報協議会が設置される。この協議会の構成をどうするのかが問題である。有料コマーシャルについては、意見表明が可能となっている。


石破氏

憲法改正の意義を国民に分かってもらうことが大事だ。国民投票法には、最低投票率の縛りがないなど問題はある。主権者として参加すること、正確な情報を提供し理性的に判断することが大事である。


上田氏

最後に三人から一言。


石破氏

自民党としても努力している。正面から向き合うことが大事である。


山尾氏

憲法には不文律がある。それが憲法の力である。


仁比氏

民主主義の大切さを強調したい。


上田氏

平和を作るのはこれからである。


(16地30分過ぎに閉会。おわり)


< 感 想 >

☆石破氏の話は、ちょっと分かりにくいところがありますが、筋が通っていて好感が持てます。石破氏のような人がトップになれない今の自民党の病の深さを感じました。


☆山尾氏は、これまでの憲法九条についての議論を踏まえて、試案・私案を提案しています。これも一つの考えかなと思いました。


☆仁比氏は、冒頭「私は武闘派です」と断ったように、相手の意見に対してうまく対応していないように思いました。例えば、国民投票法のどこが不当なのか具体的に指摘して欲しかったです。


☆安倍政権は、すでに着々と憲法破壊を行っているというのが正直な私の感想です。その典型は、やはり平和安全保障法制(安保法制)でしょう。

これまでの政府見解では、他の国が侵略されていても、それがすぐに自衛権行使の要件とはならないとしてきました(昭和四十七年政府見解)。

しかし、安保法制では「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、・・」(自衛隊法の第七十六条二項)となっていて明らかな憲法違反です。

そして、日本を守るのに必要とは思えない戦闘機や艦船を購入しようとしています。


☆九条も含めて、憲法を変えるのであれば国民の多くが納得できるだけの議論を尽くすことが最低限必要と思います。


☆安倍首相は「戦後レジームの総決算」ということを盛んに言っていました(例えば、2003年1月26日の施政方針演説)。本気であれば、首都圏を広く覆っている横田空域の廃止を始めとした日米地位協定の見直しなど、アメリカの頸木からの脱却にすぐ着手して欲しいと思います。


色々と勉強になった討論会でした。


                                                     (おわり)