2018年 土研 新技術セミナー in 札幌2018/12/07 14:56

「インフラの維持管理」という副題の付いたセミナーが,2018年12月6日(木)に札幌サンプラザで開かれました.1階のホールで行われた新技術紹介パネルの展示は,総枚数101枚で内容も非常に充実していました.


有田氏

写真1 挨拶する つくば中央研究所技術推進本部長の有田幸司氏と会場の様子


午前中は,「1部 地盤調査技術」の2件と「2部 北海道における道路メンテナンスの現状について」と題する講演でした.


佐々木氏

写真2 講演する佐々木 亨氏


佐々木 亨氏(土木研究所 土質・振動チーム)の「打ち込み式水位観測装置」は,堤防や盛土での水位観測のための水位計をオートマチックラムサウンドで打ち込むというものです.この水位計は先端にコーンが付いた菅で,打ち込んでからストレーナーの部分を開口させることができるというものです.打ち込み装置が簡便な上に削孔しないので砂で菅の回りを充てんする手間も省けます.

設置深度は最大で10m 程度,対象地盤はN値が10以下の砂質土・粘性土地盤です.コーン付きのロッドで先行ボーリングを行えば,N値20前後まで設置可能だということです.

ストレーナーの深度をどうやって決めるかが悩むところではないでしょうか.

稲崎氏


写真3 講演する稲崎富士氏


稲崎富士(いなざき・とみお)氏(土木研究所 地質・地盤研究グループ)は,「ハイブリッド表面波探査技術-地震等被災盛土・地盤の内部構造探査技術」と題して,表面波の能動的探査と受動的探査の結果を統合して,高分解能で探査深度の深い探査ができる手法を紹介しました.

能動的探査では人工的に振動を発生させます.分解能は高いけれど探査深度は浅いという特徴があります.これに対して,受動的探査では常時微動や交通振動,歩行者の振動などを使って探査します.分解能は低いけれど探査深度は深いというのが特徴です.この二つの探査は,同じ測線,同じ機械でほぼ同時に測定できます.

つい最近,札幌市の豊平川左岸堤防でこの探査を実施しました.その概要が紹介されました.

この方式は水底でも実施できます.水底の地下50m くらいまでの S 波速度構造断面を得ることができます.


札幌サンプラザでの講演会は二階の広間で行うことが多いのですが,今回の会場は一階のコンサートホールでした.階段式の座席なので映像がよく見えて良かったです.また,講演会場とパネル展示会場が一体となっているのも便利でした.



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