本の紹介:揺れ動く大地 ― 2018/10/03 21:23
木村学,宮坂省吾,亀田純,揺れ動く大地 プレートと北海道,2018年8月,北海道新聞社.
北海道の地質の成り立ちをプレートテクトニクスで説明し,同時にプレートテクトニクスを解説した本です.
最初に北海道の地質の成り立ちを説明しています.
千島弧の前弧スリバー(細長い小片)が太平洋プレートの動きに引っ張られて西に移動して,石狩低地までの北海道の地質構造が形成されました.その影響で日高山脈などは西に凸の弓型となっています.
北海道の地質の成り立ちがプレートテクトニクスで説明される前,1960年代に出された日高造山運動についても概要を述べています.
第2章は,プレートテクトニクスで見た時の北海道の位置付けとプレートテクトニクスの説明です.
第3章以降で北海道の地質の成り立ちを広い視野から解説しています.そして,最後は未来予測です.
付章 北海道の地質研究のルーツは,日本の地質学史の概略を知るのに有効です.
単なる地質の解説ではなく,何が問題として 残っているかを自身が関わる論争を含めて述べているのも参考になります.
北海道の地質のを理解する上でもプレートテクトニクスの概要を理解する上でも、話が具体的ですので理解しやすい内容になっています.ただし,論争中の問題についても説明していますので,難しい部分もあります.
木村氏にとって氏名の表記は鬼門のようです.
私が気付いた誤植の一つは,75ページの「北佐和子」→「北 佐枝子」です.
ついでに,もう一つは118ページの「イザナギプレート」の説明の中の「150億年」です.
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