本の紹介:犬房女子−犬猫殺処分施設で働くということ2018/04/19 20:53

犬房女子

藤崎童士(どうし),犬房(けんぼう)女子-犬猫殺処分施設で働くということ.大月書店,2018年3月.

マルクスエンゲルス全集を発行している出版社の本です.


熊本県動物管理センターと熊本市動物愛護センターで働いていた二人の女性のノンフィクションです.


犬や猫の殺処分というのが,どういうことかが良く分かります.それは,普通の神経では見ていられない光景です.この業務に従事している人たちは,それぞれが割り切って仕事をしているように見えますが,葛藤を抱えていると思います.


ペットショップの裏側が書かれています.全ての店がそうではないでしょうが,悲惨な状況にあります.


最後に,2016年4月14日と16日に起きた熊本地震によって,これらの施設がどのような状況になったかも書かれています.助けることの出来る動物はできる限り助ける方向で,県や市の担当者,動物愛護団体などが精力的に動きました.それでも収容しきれない動物への対処をどうするか.真剣に考えなければならない問題を提起しています.


*犬や猫を飼っていると「無駄吠え」など本当に困ることがあります.我が家では犬を外で飼っていますが,「無駄吠え」をして近所に迷惑になる場合は玄関に入れています.しかし,玄関で暴れてドアを叩く,柱をかじる,靴箱を壊すなどして手が付けられないことがあります.保健所に頼んで処分したいと思うことがあります.環境省によると,2016年度の全国での犬猫の殺処分は約56,000匹だそうです.

この本を読んで,やっぱり最後まで責任を持って飼わなければと思いました.