第71回 福岡国際マラソン2017/12/04 13:36

 12月3日(日)に行われた福岡国際マラソンは,大迫 傑選手が好記録で3位に入り,今後に期待が高まりました。


 2時間5分48秒で優勝したソンドレノールスタッド・モーレン選手(ノルウェー)は,30km以降を5kmあたり14分40秒弱で走り切りました。

 モーレン選手は,クロスカントリースキーの選手だそうです。


 大分昔に,冬はクロスカントリースキーをやっているという陸上5000mの選手を見たことがありました。その選手は,足が後ろに流れる独特の走りをしていて,後で,クロスカントリースキーをやっていると聞いて納得しました。


 モーレン選手は,足が後ろに流れることもなく非常にきれいなフォームで走り切りました。長距離走のトレーニングとして,クロスカントリースキーを取り入れるのも一つの方法かなと思います。脚力が鍛えれるほか,腕の力も付くと思います。

 ただ,雪の時期に走らないでクロカンスキーだけをやっていると,雪が融けた後のランニングでは膝にかなりの負担を感じます。ランニングへの移行期には十分な注意が必要な気がします。





本の紹介:駿河湾の形成2017/12/04 15:02


駿河湾の形成
柴 正博,駿河湾の形成 島弧の大規模隆起と海水準上昇.2017年11月,東海大学出版部.

 駿河湾,特に駿河湾西岸から南部フォッサマグナにかけての地質を総括した本です。著者が大学を卒業して以来,駿河湾団体研究グループなどと共に行ってきた地質調査の結果がまとめられています。

 駿河湾の紹介,三保半島,牧ノ原台地,有度(うど)丘陵,庵原(いはら)丘陵,駿河湾の形成,掛川層群,富士川谷,伊豆半島,赤石山脈,太平洋のギョー,東海地震などについて述べています。

 陸上と海洋の調査結果を総合すると,プレートテクトニクスでは説明しきれない現象が多くあることが述べられています。著者の考えは,大規模な海面上昇と同時に起こった陸地の上昇によって島弧が形成されたというものです。
 どのようなデータに基づいて,そう考えるようになったのかが述べられています。堆積シークエンスによる海水準変動の推定のほか,マムシなどの生物分布からも海水準変動を説明しています。

 随所に,具体的な例に基づいた用語の解説があり,説明が分かりやすく読み物としても楽しめます。

 この地球上には様々な現象があり,すべてを一つの考えで説明しきれないことが分かります。


 なお,柴氏による下の本も良書です。駿河湾団体研究グループで出していた同名の冊子が,きれいな本になりました。

地質調査入門
柴 正博,地質調査入門.2015年9月,東海大学出版部.