本の紹介:海の底深くを探る2017/10/24 16:36


海の底深くを探る
白山義久・赤坂憲雄 編,フィールド科学の入口 海の底深くを探る.2015年9月,玉川大学出版部.

 I 部の海洋生物学者・白山(しらやま)氏と民俗学者・赤坂氏の対談が非常に良いです。フィールド科学の魅力と重要性が伝わってきます。
 赤坂氏が衝撃を受けた本として,宮本常一の「忘れられた日本人」を挙げています。民俗学もフィールド調査が重要です。白山氏と共鳴できる部分があることが分かります。

 白山「・・基礎科学としての海洋学は,海洋の基本的な理解をとおして,このような社会(*サステイナブルな社会)をつくりあげるために必要不可欠な科学的知見を提供することが,最大の社会貢献だと思っています。」
 赤坂「・・海っていうのが,領海とかいうレベルではなく,ある種の可能性の宝庫として再発見されていかないと,この国の将来イメージ,将来像っていうのがたぶん豊かに描けないな,って感じています。」(本書61-62)

 II 部の藤倉克則氏の「深海生物研究のフォールドワーク」,III 部の青山 潤氏の「ニホンウナギの大回遊を追いかける」は,海での仕事の魅力が十分に伝わってきます。

 2年前に出版された本ですが,面白い内容が満載です。

 この「フィールド科学の入口」シリーズには,小泉武栄・赤坂憲雄 編「自然景観の成り立ちを探る」があります( http://geocivil.asablo.jp/blog/2014/01/08/ )。この本も面白い本です。


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://geocivil.asablo.jp/blog/2017/10/24/8711942/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。