宇宙は「もつれ」でできている2016/12/01 15:29



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L.ギルダー,山田克哉監訳,窪田恭子訳,宇宙は「もつれ」でできている.ブルーバックス,講談社. 原題は,The Age of Entanglement : When quantum physics was reborrn です.entanglement は「もつれ」です.

 「監訳者まえがき」の冒頭部分が,この本の特徴を見事に言い表しています.量子力学の歴史を,多くの物理学者の討論などを紹介しながら述べた本です.

 第1章は「ちぐはぐな靴下」という題です.量子論に重大な転機をもたらした J. ベルの不等式の話から始まります.

 以下の各章は,時代順に量子力学が,どのような人によって,どのような議論を通じて発展してきたかを述べています.
 議論の内容を完全には理解できませんが,登場する人物は有名な人ばかりです.さすがに,1950年頃からの物理学者は,私が名前を知らない人が多くなります.

 この本を読んで,インターネットなどで量子力学の分かりやすいウェブサイトを見ると,何となく分かったような気になります.

<分かりやすい量子力学のウェブサイト>

・30分で分かる量子力学の世界
( http://ryoushi-rikigaku.com/index.html )
 *「原子より内側と外側には、全く異なる2つの世界があります。 この境目の壁はとても大きく、一方の常識は他方に通用しません。 当然、物理法則も全く違います。通常の物理学が通用しない、原子の内側の物理学が、量子力学です。」
 という説明は納得できます.

・【誰でも分かる】「量子力学」ってなんなの? 詳しい人に聞いてきた【入門編】
(https://haken.inte.co.jp/i-engineer/interesting/ryoshirikigaku ) 
 *量子力学の世界を非常に分かりやすく説明しています.量子の一つである電子が,粒と波の両方の性質を持つ実験の絵と説明が見事です.