平成28年8月北海道豪雨災害調査団報告会2016/10/11 09:01

 2016年10月7日,午後2時から地盤工学会主催,日本地すべり学会北海道支部共催の「平成28年8月北海道豪雨による地盤・地すべり災害調査団」報告会が,北大学術交流会館で開かれました.
 当日,講演要旨は配布されませんでした.地盤工学会北海道支部のウェブサイトで,後日公開されるそうです.

 司会は西本聡氏(地盤工学会北海道支部 地盤災害緊急対応委員会 副委員長:寒地土木研究所)です.


平成28年8月北海道豪雨災害報告会
開会時の様子
 「開会に先立って−災害等に係わる調査の相互協力に関する協定について」を説明する西本副委員長(左)と石川委員長(右)

 まず,石川達也氏(同上委員会 委員長:北大工学部 地盤環境解析学研究室)が,調査および被害の概要を報告しました.
 
 その後,9件の報告と2件の話題提供があり,討論になりました.終了は午後5時30分で,予定の時間を越えての報告会となりました.

 討論の中では,石丸聡氏(道総研 地質研究所)の斜面災害での発言が注目されました.斜面崩壊の場合,急傾斜が注目されてきましたが,昨年の礼文島の斜面崩壊や今回の斜面崩壊を見ていると急斜面の上の緩斜面にも注目する必要があると言うことです.今回の羅臼町の斜面崩壊も,海岸に面した急斜面で海岸段丘の堆積物の上に緩斜面が形成されていて,そこにかなり厚い緩斜面堆積物が載っていて崩壊したものです.

 西村聡氏(北大工学院 環境フィールド工学部門 地盤物性学研究室)は,耐浸食性の堤防や粘る盛土の開発の必要性,データの蓄積とモニタリングの充実によるメカニズム解明の重要性を強調しました.

 気候の状態が変わってきていることが確実な現在,これまでと異なった視点からの対応が必要なようです.


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