尻別岳2016/05/26 11:51

 国道230号の脇にある尻別岳に登った。ルスツリゾートスキー場のある橇負山から尾根伝いに登山道がついている。

 登山道入口へ札幌から行く場合,国道230号のルスツリゾートを過ぎ,ニセコ方面に向かう道道66号岩内洞爺線との交差点を右に曲がり,400mほど行った三叉路をまた右に曲がって道道257号留寿都喜茂別線を辿る。この道路から橇負山への道の入口が分かりにくい。
 三叉路から3kmほど行った直線道路の途中に入口がある。入口にはタイヤを洗うための浅いプールがあり,種芋の栽培をしているので圃場には入らないようにとの注意看板がある。
 砂利道をどんどん行くと突然のようにして尻別岳登山道入口の看板のある小さな広場に出る。さらに道は続いていて,橇負山頂上の駐車場へ行くことができる。橇負山からの眺めだけでも,来た甲斐があると思わせる。ただし,ルスツリゾートの音楽やジェットコースターの音がもろに聞こえてくる。
 この日は,ロープウェイが動いていて頂上にかなり人が来ているようだった。


登山道入口
写真1 登山道入口
 橇負山頂上の少し手前である。10台くらいは車を駐めることが出来る。

 登山道入口の標高が660mで,尾根伝いにアップダウンを繰り返して723mのコルへ降りる。ここから標高1,030mの尾根までが,ほぼ一直線の急な登りである。登山案内書にはコルから頂上まで1時間10分と書かれている。この日は,コルから急登の終わる尾根まで45分,そこで握り飯を食べた。


シラネアオイ
写真2 シラネアオイ
 登山道を入ってすぐ,シラネアオイの群落に出会った。シラネアオイは頂上にも咲いている。スミレも満開である。この時期は紫の花が多かった。


ハクサンチドリ
写真3 多分,ハクサンチドリ
 あまり数は多くないが,濃い紫色と立ち姿が印象的である。


エゾフウロ
写真4 エゾフウロ
 花びらに濃い紫の縞が入っているのが,おしゃれな感じである。


尻別岳急登路
写真5 723mのコルへの下りから見た頂上
 左の高まりは急登が終わる尾根の先端である。多分,右から二つ目のなだらかなピークが頂上である。
 
 急登路の途中にはガレの始まりの部分が二箇所ほどありロープが付いているものの,かなり怖い感じがする。尾根の平均傾斜は30°弱であるが標高差が300mある。急登路が終わり尾根に出ると緩やかな上り下りを繰り返して15分ほどで頂上に着くことができた。


崩壊地上部
写真6 急登路途中の崩壊発生源
 安山岩の露頭が崩れて登山道のすぐ側に迫っている。


ヤマザクラ
写真7 ヤマザクラ
 急登が終わり頂上へ向かう尾根道に咲いていた。ちょうど満開であった。さすがに標高1,000mを越えているので季節は少し遅れている。

 頂上は思っていたより広い。何と言っても眺めが良い。

 羊蹄山が間近である。その姿を見ながら残ったおにぎりを食べた。頂上の東側は平坦になっていて,まだ雪が残っていた。火口があったような地形である。
 洞爺湖と有珠山,昭和新山も見える。天気が良ければ駒ヶ岳が見えるというが,この日はモヤで見えなかった。
 南西には昆布岳の独特の山容が見える。北東には,多分,無意根山から余市岳の連なりが見え,南東にはホロホロ山が見える。
 モヤが空一面にかかっていて遠くの山ははっきりしないが,眺めのすばらしさは抜群である。


尻別岳頂上
写真8 頂上の標柱と羊蹄山
 目の前に羊蹄山が見える。ここで,ゆっくりと昼飯を食べるのは最高である。この日はモヤがかかっていたが雲は無い。周りは一面笹原で,岩は露出していない。


頂上の石
写真9 頂上に転がっていた石
 頂上に露頭はない。転がっている石はこんなもので,白濁した斜長石が特徴である。大きいのは径1cmある。左に角閃石の柱状結晶が見える。ここでは石英は目立たない。


洞爺湖
写真10 洞爺湖と有珠山と昭和新山
 洞爺湖と中島,その向こうに有珠山,左に昭和新山の尖った山体が,うっすらと見える。


南東から見た尻別岳
写真11 南東から見た尻別岳
 左裾が723mコルと急登尾根である。