マーセラス・オイルシェール2010/01/20 14:27

 2010年1月15日のダイヤモンド・オンラインに『世界のLNG市場に価格破壊 米国発「シェールガス革命」の衝撃』という記事が載った.
<http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100115-00000000-diamond-bus_all>
 このガス田開発が世界のエネルギー情勢に与えつつある状況については,上記ウェブページに概要が載っている.

 アメリカのニューヨーク州からペンシルバニア,ミシガン,オハイオ,ヴァージニアの各州にまたがる地下にマーセラス・シェール(マルケルス頁岩:Marcellus Shale)が分布していて,この頁岩に膨大な量のガスと石油が包蔵されているという.最近の試算では500兆立法フィート(1,400億立方メートル)であるという.

 マーセラス・シェールはデボン紀の黒色の密度の小さい有機物に富んだ頁岩で,ガスの生産量が多い有機物に富んだ部分はパッチ状に分布していて最大厚さは75m以上である.
 新しく採用された採掘方法ではマーセラス・シェールに沿ってボーリング(コントロールボーリング)を行い,同時に水圧破砕法で亀裂を作ることで生産量を上げている.

 ガスはマーセラス・シェール中に3つの形態で賦存している.
1)頁岩の細孔中
2)頁岩層を貫通している縦亀裂(節理)中
3)鉱物粒や有機物への吸着

 この中で最も回収しやすいのは細孔中のものである.これまでの実績からは多くの亀裂が交差している部分でガスの回収に成功していると言う共通点がある.
(以上は,geology.comの記事による)

 なお,アメリカ地質調査所のオープンファイル・レポート2006-1237に,R.Milici&C.Swezyの詳細な報告書がある.