恵庭岳(1)2008/09/06 17:50

札幌支笏湖線21km過ぎの峠から見た恵庭岳
恵庭岳 08年9月5日

 恵庭岳は支笏カルデラの北西にそびえる標高1,320mの活火山で,東北東に開いた爆裂火口跡があり現在でも数カ所から噴気が上がっている.
 
 札幌を6時半に出発し札幌新道から北野を通り滝野公園を過ぎて,国道453号札幌支笏湖線に入る.札幌の北東から定山渓や支笏湖に行く場合,町の中を通のが距離的には近いが,混雑に巻き込まれて時間を食うことがあるので,このコースを取った.
 札幌支笏湖線に沿っては自転車道が支笏湖北東岸のポロピナイキャンプ場まで通じている.ここから支笏湖沿いの部分は自転車道がなくモーラップキャンプ場を過ぎた国道276号の分岐の信号のところから千歳市に向かう自転車道がある.この自転車道は千歳マラソンのコースの一部となっている.
 札幌支笏湖線の21km過ぎの上り坂を登り切って右にカーブを切る所から恵庭岳が見える.国道453号で最初に恵庭岳が見える地点である.
 道道恵庭岳公園線の分岐を過ぎ,オコタンペ湖の分岐を過ぎてポロピナイ駐車場野崎のヘアピンカーブを過ぎたら速度を落とし,支笏湖と丸駒温泉へのT字路の手前で右手にある恵庭岳登山口の駐車場に入る.
 現在,恵庭岳の頂上の岩峰は登山禁止となっていて,9合目の「第二見晴台」に看板が立っている.2003(平成15)年9月26日に発生した十勝沖地震で頂上北東側の岸壁が崩壊し,大きな亀裂が入っているらしい.この地震の震度は苫小牧で5弱,札幌・千歳・恵庭では4であった.

 予定より早く8時前には登山口に着くことができ,登山ポストに記入をして8時には登り始めた.山頂から東北東に向かって流下している水のない沢を渡って,なだらかな道を登っていく.登山道はこの沢の右手に沿って直線で続いている.トドマツの風倒木の間を過ぎ標高500m付近から急斜面のつづら折れにかかる.
 これを過ぎてからは,ひたすら登る.途中登り道が左,下り道(ロープが張ってある)が右と分かれる.この辺りは火山砂礫から成っている地山が露出していて滑りやすい.これを過ぎると見晴台に到着する.時刻は10時30分.登山口から2時間半かかっているが,初めから登山禁止の所までと考えているので,行程的には余裕である.

 見晴台は安山岩が露岩していて支笏湖,藻岩山や札幌市街が見える.爆裂火口の様子もよく分かる.ここの標高は約1,000mである.看板にはこの先第二見晴台があると書いてあるので,ここは第一見晴台ということらしい.山の案内書などで見晴台としているのはこの場所である.爆裂火口の途中の岩の上に先行している人が見えることもあり,あれが「第二見晴台」らしいと分かる.

 爆裂火口の北側の斜面を登っていくと,それほど苦労せず11時30分には立ち入り禁止の看板のある「第二見晴台」に到着した.標高は約1,200mで頂上の岩峰は目の前で,登っている人がいればはっきりと見ることができる.直線距離にして300mほどである.ここから頂上までは片道30分で行けるとのことである.
 看板には十勝沖地震で岩塔部で大規模な崩落が発生し登山道が無くなり危険なので登山は禁止すると書いてある.ただし,最後の部分には「登山される方は,自分の責任において,ケガ等に十分注意して行動して下さい.」と書かれている.
 この見晴台は結構広く眺めもいい.ただし,南側は爆裂火口の反対側の尾根にさえぎられて風不死岳や樽前山は見ることはできない.
 頂上の岩塔をよく見ると上が開いた縦亀裂がいくつも見られ,地震による崩落の特徴を示している.この付近の植生はダケカンバが主でかなり成長したハイマツも見られる.爆裂火口の中は殺風景で,風の向きによっては硫化水素の臭いが漂ってくる.

 第二見晴台でゆっくり休み,おにぎり,リンゴを食べ,紅茶,コーヒーを飲んで英気を養って下山にかかる.頂上(行けるところの一番高いところ)でコーヒーを飲むというのが今回の山行の大きな目的の一つである.
 この日は金曜日なのでそれほど人も多くなく,出会った人は10人弱であった.

 下山開始は13時ちょっと前.第一見晴台で休んで,下りのロープ場を通って,ヨレヨレになりながら16時に登山口に到着した.足場が悪いので,下りもそれほど早く降りることはできない.第一見晴台から下の道のりの長いこと.もういい加減に着いてよと言う感じになっても勘弁してもらえない.

 丸駒温泉で露天風呂を十分楽しんで疲れを取り,札幌に向かった.頂上の岩塔には雲が時々かかったが視界は常によく,風はそよ風程度で気持ちよく,幸せな一日でした.

【END】

恵庭岳(2)2008/09/06 18:07

登山道の入り口
大きな岩の右手に踏み分け道がある.

恵庭岳(3)2008/09/06 18:09

見晴台
安山岩が露出している.やや発泡し紫がかった灰色の岩で方状節理が発達しているので腰掛けて休みのにはちょうどいい.
ここからは支笏湖が一望でき,藻岩山,札幌市街も望める.

恵庭岳(4)2008/09/06 18:12

「第二見晴台」から見た岩塔
ちょうど雲がかかって頂上ははっきり見えないが,なかなか迫力がある.

恵庭岳(5)2008/09/06 18:14

下り専用のロープ場
足元は火山砂礫で雨の直後はすべり可能性がある.ロープを設けておかないと踏み跡がどんどん広がってしまうだろう.